3月24日、トヨタ ランドクルーザー300の一部改良が発表された。なんといってもニュースは盗難防止機能の充実。スマホアプリ「My TOYOTA+」を通じてエンジン始動をロック可能にもなった。いっぽう車両の受注停止は継続。新規ユーザーへの注文再開はもうしばらく先になりそうだ。
文:ベストカーWeb編集部/写真:トヨタ自動車
インパネ画面とディスプレイオーディオが進化
マイナーチェンジの内容だが、まずは法規制に伴うアップデート。衝突被害軽減ブレーキが出会い頭や自転車検知に対応した他、イベントデータレコーダーやサイバーセキュリティ対策が盛り込まれた。ディーゼル車は路上走行時の排出ガス規制値(RDE)もクリアしている。
装備面では、車内インパネとディスプレイオーディオが新しくなった。インパネはこれまでオプティトロンメーターだったメーターがインフォメーションディスプレイ内蔵のTFT液晶に変更、特にGR-S、ZX、VXは12.3インチの大画面がおごられた(AX、GXは7インチ)。
いっぽうディスプレイオーディオはちと複雑だ。もともとランクルは全車9インチのディスプレイオーディオが標準だったのだが、これが8インチにサイズダウンするいっぽうで、12.3インチがメーカーオプションで選択可能となった(GXは設定なし)。ちなみにカーナビ自体は、新しいコネクティッドナビに進化している。
【画像ギャラリー】いろんな表示が可能になった新型ランクル300のインパネ画面を見て!(16枚)画像ギャラリースマホで車両の遠隔始動ロックが可能に!
しかしランクル愛好者がそれ以上に興味深いのは、盗難防止機能の進化だろう。これまでも指紋認証や車内侵入やジャッキアップを検知するオートアラームは搭載していたが、そこに新たな「防具」が加わった。
まずはスマホアプリによるマイカー始動ロック。レクサスが先行採用した機能だが、専用アプリの「My TOYOTA+」を使って遠隔から始動をロックできるもので、トヨタ車としては初の装備となる。
同アプリでは他にも、エンジン始動を禁止する時間帯を設定したり、遠隔からクルマの施錠忘れやハザードの消し忘れなどを確認することもできる(※サービス利用にはTOYOTAアカウントの取得とT-Connect契約が必要)。
もう一つ、同じくレクサス車には採用されていたスマートキー測距システムも導入された。
これは広帯域無線技術を使って、電子キーの位置を高精度に特定する機能。万一キーを持つユーザーが車両近くにいないときは、スマートエントリーやスタートシステムによるドア開錠およびエンジン始動を制限できるもので、CANインベーダーなどを使った盗難に一定の効果を生むと期待できる。
【画像ギャラリー】いろんな表示が可能になった新型ランクル300のインパネ画面を見て!(16枚)画像ギャラリー価格は13万~15万程度の値上がり
最後に新型ランクル300の価格。モデル全体の価格帯でいうと13万~15万円程度の値上げとなった。
具体的には、もっとも安いガソリンGXが525万2500円(15万2500円アップ)、ガソリンZXが743万6000円(13万6000円アップ)、ディーゼルのGR-Sが813万6000円(13万6700円アップ)といった具合。一説には「マイチェンで大幅値上げ」という噂もあっただけにその点はホッとしたといえる。
とはいえ、もろ手を挙げて喜ぶわけにはいかない。長く続いている受注停止が解けなかったためだ。ランクル300は依然数万台単位のバックオーダーがあるといわれ、その受注残の解消が最優先であることは商品改良後も変わりはない。
納車を待つ顧客にはすでにマイナーチェンジの情報は伝わっているものと思われ、マイチェンモデルへの注文切り替えが行われるものと予想する。
マイナーチェンジしたのにクルマが買えないというのはおかしな事態だが、世界的に需要が高いモデルゆえの事態といえる。増産などによって納車を早め、一日も早い受注の再開を望みたい。
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