ロッキー&ライズ首位奪還!! 圧巻の強さと独走の理由は?


 発売後即、SUV販売首位奪取!! 大人気トヨタ ライズ&ダイハツ ロッキー、独走とライバル不在の理由は?

 2019年11月5日に発売されたダイハツ ロッキー&トヨタ ライズの売れ行きが好調だ。

 トヨタが扱うライズは、2019年11月の登録車販売台数ランキングで早くも4位。カローラシリーズ、シエンタ、プリウスに次いで売れており、瞬く間に身内のRAV4を上回るSUVトップセラーに躍り出た。

 ダイハツ ロッキーと台数を合わせれば計1万1778台に達し、これは1位のカローラシリーズをも凌ぐ驚異のバカ売れっぷり。

「5ナンバーサイズで、価格も100万円台からと手ごろなSUV」と、明らかに売れそうなロッキー/ライズだが、実はガチンコの競合SUVは今のところ他社から出ていない。

 なぜ、競合激しいSUVで早くもトップセラーに輝くことができたのか? そして第2のロッキー&ライズが出てこない理由とは? その背景に迫る。

文:渡辺陽一郎
写真:編集部

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ロッキー/ライズ 人気の秘訣と絶妙なポジショニング

写真はダイハツ版のロッキー。全長4m未満、全幅1.7m未満の5ナンバーサイズSUVは、今まで「あるようでなかった」絶妙なサイズ感

 人気の秘訣は、前輪駆動をベースにしたシティ派SUVながら外観はオフロードSUV風で、ボディが5ナンバーサイズに収まることだ。最近のSUVはカッコ良くなったが、C-HRやCX-30など、外観はいずれも都会的に仕上げている。

 そこで原点回帰というか、RAV4のような悪路の走破を意識させるSUVが注目され、ロッキー&ライズは5ナンバーボディでそれを実現させた。

 そして、登録車販売台数ランキングを見ると、上位には5ナンバー車が多く並ぶ。カローラシリーズとプリウスは3ナンバー車だが、シエンタ、ノート、ルーミー&タンク、フリード、アクアといったランキング上位の常連はすべて5ナンバーサイズに収まる。

 ロッキー&ライズが売れ行きを伸ばした背景には、人気のSUVで、なおかつ使いやすく馴染みやすい5ナンバーサイズに収まることがある。

トヨタ版のライズ。フロントマスクはロッキーと異なるものの、基本は同一。2019年11月は7484台を販売し、早くもSUVトップセラーに

 不思議に思えるのは、ロッキー&ライズのライバル車になるような、5ナンバーサイズのSUVがほとんど存在しないことだ。

 5ナンバー車をカテゴリー別に見ると、フィットやノートのような5ドアハッチバックのコンパクトカーが圧倒的に多い。

 そのほかはシエンタとフリード、ヴォクシー系3姉妹車やセレナの標準ボディといったミニバンで占められる。セダンはグレイス、ワゴンはシャトル程度だ。

 このような事情もあり、先代カローラは、ベーシックなグレードを継続販売している。5ナンバーサイズのセダン&ワゴンがほとんどないためだ。

 SUVの5ナンバー車については、スズキがクロスビー、ジムニーの拡大版となるジムニーシエラ、コンパクトカーとの中間的な存在のイグニスを用意するが、ほかのメーカーでは見当たらない。

 堅調に売れるコンパクトSUVのヴェゼル、C-HR、CX-30は、全長は短いものの全幅は1700mmを超えて3ナンバー車になる。

なぜ第2のロッキー&ライズは出ないのか

人気小型SUV、ホンダ ヴェゼルの全長4330×全幅1770mmという数値は、ロッキー/ライズのそれよりひと回り大きく、実はサイズ面ではさほど競合していない

 なぜ第2のロッキー&ライズが出ないのか。

 日本では5ナンバー車の人気が高く、3ナンバー車ではSUVの売れ行きが伸びているから、ロッキー&ライズのような「5ナンバーサイズのSUV」が豊富にあって良いだろう。

 ロッキー&ライズの対抗車種が登場しない一番の理由は、SUVというカテゴリーが、もともと海外市場をターゲットにしているからだ。

 SUVには全高が1600mm前後に達する車種が多く、なおかつ走りの良さも求められる。背の高い車で走行安定性を向上させるには、全幅を広げるのが効果的だ。

 そうなると5ナンバー規格のない海外では、コンパクトなSUVでも全幅を1700~1800mmに設定する。1800mmを超えると、欧州でもコンパクトとは呼べなくなるから1700mm台には収めるが、5ナンバーサイズには入らない。

 背景には5ナンバー車の小回り性能もある。ボディ底面に配置された骨格の配置とタイヤサイズによっては、全幅を5ナンバーサイズに抑えると、前輪の最大舵角が小さくなって小回りの利きが悪化することだ。

写真は新型カローラの最小回転半径を示した図。カローラの場合も、15インチ車の最小回転半径は5.0mとなるが、16、17インチ車は同5.3mとなる

 例えばノートの場合、14インチタイヤ装着車の最小回転半径は4.7mだが、15インチになると5.2mへ一気に拡大する。全幅を抑えることで、取りまわし性が悪化する場合もあるわけだ。

 このほか充分な室内幅を確保しながら、側面衝突時の乗員安全性も高めようとすれば、5ナンバーサイズの商品開発には困難が伴う。SUVに限らず、車両を開発する上では、3ナンバー車の方が都合の良いことが多い。

 ユーザーニーズもある。コンパクトカーやミニバンは、日常的な買い物などで便利に使えることを目的に購入するから、裏道や駐車場での取りまわし性、乗降性などの優れた5ナンバー車を求める。

 しかし、SUVは格好良さや走る楽しさなど、趣味性を重視して選ばれるから、5ナンバーサイズの全幅にはあまりこだわらない。ハリアーは国内向けのSUVとして企画されたが、全幅は1800mmを超えている。

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