欧州を覆う「EVヒステリー」の背景と行方 本当に実現可能なのか?


■受け入れた先にある厳しい現実の壁を知る

 たとえば、ノルウェーでは2019年上半期の新車販売でEVが45%を占めたという。こういう国に自動車メーカーは積極的にコミットして、国単位でEV100%を目指す社会実験を実施する。

 そこで得られたさまざまな知見やノウハウを、世界中に広めてゆくという提案をするのだ。

MX-30の試験車両であるe-TPVの試乗会を行ったノルウェー。人口530万人ほどで電力のほとんどを水力発電でまかなう国ならばEV天国も実現できるだろう

 おそらく、ノルウェーならその気になれば10年以内にEV以外全部禁止の政策は実行可能だろうが、果たしてそれがほかの世界各国でも同じように実現できるのか?

 その現実を見てもらうことが、「シンプルなメッセージ」に対する現実派の回答になる。

電力を作る過程でのCO2まで考えた場合、完全な正解はFCVとなる。だがインフラ整備の問題も含め、EV以上に普及までの道のりは遠い

 ちなみに、ノルウェーの各種統計は、人口約530万人(日本の約24分の1)、一人あたりGDP約7万2000ドル(日本の約2倍)、自動車保有台数約300万台(日本の20分の1)、水力発電比率約95%(日本の約10倍)といったところ。

 このくらい恵まれた国でないと、やはりEVユートピアの実現は難しい。

日産の「アリア コンセプト」。今年の東京モーターショーにも多くのEVが出展された。EVが珍しがられているうちは問題は顕在化しないだろう

 多くの人に届きやすい「シンプルなメッセージ」の重要性は変わらないし、理解しようとせずに否定するのは間違いだ。

 だけどそのメッセージを現実のものとできるかは、やはり別問題。現実は厳しいのでございます。

期待される次世代EV群。活躍できる時はくるだろうか?

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