■マイチェンで復活の兆しC-HR。ヴェゼルはモデューロX投入で挽回なるか!?
問題はC-HRだ。2017年と2018年にはSUVの販売1位になったが、その後は売れ行きを下げて、2019年上半期はヴェゼルの登録台数を下まわった。それが再び上まわる気配を見せている。
背景にあるのはC-HRの改善だ。C-HRの発売当初は、1.2Lターボが4WD専用、ハイブリッドは2WD専用とされ、価格の安い1.2Lターボの2WDは選べなかった。加えてヘッドランプはハロゲンが中心で、LEDを装着するには、上級のGかG-Tに15万円を超えるセットオプションを加える必要があった。この不都合を一部改良で改善して、2019年10月には、安全装備を充実させるマイナーチェンジも実施した。C-HRは戦力を強化している。
また2019年以降に、ヴェゼルが挽回してC-HRの売れ行きを上まわったものの、大差で引き離していたわけではない。ヴェゼルは優れた実用性と割安な価格で安定的に売れているが、今では発売から6年を経過した。しかも今はN-BOXが国内で売られるホンダ全車の30%以上を占めて、軽自動車全体では50%に達する状況だ。
そうなるとホンダの小型/普通車は、軽自動車に販売力を奪われている。ステップワゴンやオデッセイは、かつてホンダの国内販売を支える存在だったが、今ではライバルのミニバンに販売面で大差を付けられてしまった。ヴェゼルはホンダの小型/普通車では好調に売れている部類だが、軽自動車偏重の悪影響も相応に受けている。
ヴェゼルは、2020年の末以降にフルモデルチェンジを行う可能性が高いが、ホンダの国内販売を支える基幹車種だから、売れ行きを下げるわけにはいかない。2019年1月には1.5Lターボのツーリングを加え、11月にはモデューロXも設定した。2020年も効果的な改良と特別仕様車の設定を行い、商品力を維持していくだろう。
従ってライズ、ロッキー、C-HR、CX-30といったコンパクトSUVを選ぶ時には、ヴェゼルと比べて判断したい。特に後席の居住性と荷室の機能は、今でもヴェゼルがコンパクトSUVの最高峰だ。優れたクルマだから、SUVを買う時の判断基準になり得る。
コメント
コメントの使い方