2度目のフェイスチェンジで日産エンブレムに回帰
今回のマイナーチェンジでフーガのエンブレムは、これまでのINFINITIから、NISSANへと戻された。
2014年にインフィニティエンブレムを背負って登場したV37型スカイラインもまた、昨年秋のマイナーチェンジでNISSANエンブレムに戻されている。
北米で認められてきたINFINITIブランドの価値は日本でも通用するかという日産の検証は、思惑通りには行かなかったのだ。
それだけでなく、一部ではあるが、旧来の日産ファンからの反感を買ってしまうことにもなってしまい、大切なファンを失うことにもなってしまった。
INFINITIと同じく、海外で成功したブランドを国内に導入したレクサスは、2005年8月30日から日本営業を開始した。
2010年頃までは2万5000台から3万台程度にとどまってはいたが、FRへのこだわりをやめ、FFやSUVへも拡大したことで販売台数が徐々に向上。
2017年にはLSがフルモデルチェンジ、2018年にはES、コンパクトSUVのUXも加わり、2018年は約5万5096台、2019年には6万2394 台と、前年比111%と順調に成長している。
レクサスが国内市場でようやく売り上げを伸ばしてきたのは、良いクルマをつくるのは当然として諦めなかったことにあるだろう。
果たしてINFINITIは、そうした模索をやったであろうか。
フーガとクラウンの決定的な差とは?
日本市場自体で、セダンが不人気であることは間違いない。
しかしなぜか、クラウンとカローラだけは、売れ続けている。特に、発売後1年半以上経っても、いまだ月に2000台近くが売れ続けるクラウンには、さすがの一言だ。
その理由について、現行のクラウンが発売されたころ、とあるトヨタ販売店の営業マンに聞いたことがある。
その営業マンによると、新型クラウンが出たら、とりあえず買ってくれる顧客がいまだ多くいるそうなのだ。
クラウンならば何もかもが大丈夫という絶対的な信頼関係を、クラウンを売る営業マンが顧客との間で強固に築いてきた恩恵であろう。
ただし、気に要らないことがあれば、営業マンは顧客に呼び出され、こんこんと説教をされることもあるらしい。
クラウンが売れ続ける理由は、クルマが魅力的なのはもちろん、それを支える営業マンたちによる努力が成し得た驚異の販売構造にこそ、ある。
車名を変えたり、エンブレムを変えたりしているフーガとの決定的な違いは、こうした顧客との信頼関係であろう。
まとめ
セドリック/グロリアも、登場するや否や売れたわけではない。何世代も積み重ね、その都度ユーザーから貰う様々な反応を見てフルモデルチェンジをし、改善を続けていった結果、徐々にユーザーに認められるようになったのだ。
フーガはまだたったの2代目(※初代フーガ登場の2004年からすでに16年目ではあるが…)。
まだまだ、お客様の意見を吸い上げ、モデルへ反映する熟成が足りていないと考えるのは筆者だけではないだろう。
フーガとシーマが、なぜこのタイミングで、フルモデルチェンジではなく、仕様向上となったのかは疑問ではあるが、モデルチェンジができなくとも、出来ることはある。
スカイライン、フーガがともに日産エンブレムに戻ったことは、日産という自動車メーカーが、正常に戻る第一歩になると筆者は確信している。
コメント
コメントの使い方