日産の高級車構想に方針転換が起きている――。2019年12月23日、日産はシーマとフーガの仕様を向上し、近く発売すると発表した。
具体的には、ACCを全グレードに標準装備するなど先進安全装備が主な内容で、これによって、シーマとフーガの全グレードがサポカーSワイドの対象となった。
日産が誇るプレミアムセダンである現行Y51型フーガは、2009年登場であるから、すでに11年目。
フーガの前身であるセドリック/グロリア時代にライバルだったトヨタクラウンは、2019年に36,125台も売り上げたのに対し、フーガはたったの1,068台。目を覆いたくなるような売れ行きである。
かつては、日本を代表する高級サルーンであったセドリック/グロリアの系譜を継いでいるはずのフーガであるにも関わらず、なぜフーガは、クラウンのような人気モデルになれなかったのだろうか。
文:吉川賢一、写真:日産、トヨタ、レクサス
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フーガとはどういったクルマだったのか?
まずフーガについて、少し振り返ろうと思う。初代フーガ(Y50型)は2004年10月、日産を支えた名門ブランドであるセドリック/グロリアの実質的な後継車としてデビューした。
このフーガは、北米をメイン市場とするインフィニティブランドにおけるラージサイズラグジュアリーセダンM(※のちにQ70へと改名した)として登場したクルマの国内版だ。
続く現行フーガ(Y51型)は、2009年11月に発売開始された。2.5Lと3.7Lのガソリンエンジンと3.5L+ハイブリッドの3種類を持ち、駆動方式はFRと4WD。
ハイブリッドのパフォーマンスは、2012年当時、0-400m加速にてポルシェパナメーラのタイムに勝利し、世界最速の市販ハイブリッドという名誉を獲得したほどだった。タイム13秒9031は当時のギネス世界記録に認定された。
その後、2015年のマイナーチェンジで外観デザインを大幅更新、その際に、ブランドエンブレムがNISSANから、北米やアジアで売られているINFINITI(インフィニティ)にされた。
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