新型ヤリスは「原点回帰のなかに中身を充実」
新型ヤリスも原点回帰した1台だ。
初代のデビューは1999年。当初は4気筒1.0L、全長3610×全幅1660全高1500mm。このようなコンパクトカーが“リッターカー”と呼ばれた時代。いわゆるひとつ上のファミリーカーを脅かし始めた頃。
スーパーへの買い物や子供の送り迎え、祖父母の病院通い。少人数でのしかも短距離での移動がほとんど。さらに燃費が良くリーズナブル。となると、こんなリッターカーで充分。
ということで他社も続々参入。すると、競争力をつけるために差別化が必要になり、エンジンを排気量アップやターボでパワーアップ。
もともと軽自動車に毛が生えたようなサイズだったから、モデルチェンジの度にそのラグジュアリー度はエスカレートしてゆく。
グローバルモデルでもあったことから現行モデルのヴィッツでは5ナンバーギリギリのサイズにまで成長していたのだ。
サスペンションフィールもプラットフォームの割に車重が増えたことでハード化。乗り心地もロードホールディング(=タイヤの路面追従性)もある程度捨てなければならなかった。
そこで新型はしっかりとそのことを反省。全長は3940mmと+10mmだが全幅は1695mmと踏襲。そのパッケージの中でスペースを含め前席の使い勝手をより向上。
乗り心地もサスペンションの動きを一から見直し、ストローク感のあるしなやかなフィールに進化。特に市街地実用速度域での乗り心地に焦点を絞っている。
また、ハイブリッドモデルをラインナップすることでエコ性能も強化。原点回帰の中にしっかりと中身を充実させている。
レヴォーグは「レガシィの原点回帰版として登場」
レガシィはインプレッサとともにスバルの基幹車種である。
特にレガシィツーリングワゴンでは、バックドアを持つクルマの車体剛性を徹底的に見直し進化してゆく。
例えば、段ボール箱。蓋を開けるとそれまでの支えを失って潰れてしまう。ワゴンはこの段ボールに似ていて、バックドア開口部が剛性面でのネックとなるのだ。その部分をしっかり強化して走りが楽しいツーリングワゴンとして名を馳せた。
しかし、北米での人気沸騰など、モデルチェンジの度に米国を見据えたサイズへと変化。走りの楽しさよりも大人5人がゆったりと快適に移動できるラグジュアリーなモデルへと進化。
気が付けば、スバリストを唸らせたコンパクトで本格的なハンドリングをも持ち合わせたツーリングワゴンとは程遠くなっていたのだ。
そこで原点回帰として登場したのがレヴォーグだ。
全長&ホイールベースともに5代目レガシィツーリングワゴンより100mmも短縮。ハードなサスペンションによってコンパクトでスポーティなハンドリングを達成。
初期モデルは乗り心地も硬かったが、マイナーチェンジごとに柔軟性の高い仕様へと進化。適度に柔らかくなったサスペンションがより奥の深いハンドリングを実現している。
また、「アイサイト」も当時のスバル最新レベルのツーリングアシストへと進化している。
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