【「ガタガタ」って何の音?】ブレーキを踏むと聞こえる音の原因と対策方法

 交換やメンテナンスが必要なパーツといえば、タイヤやエンジンオイル、バッテリーやワイパー、もっと言うとエンジン冷却水やブレーキフルード、タイミングベルト等々、挙げればキリがなく、そのどれもが、重要なパーツである。

 その中でも、故障したら危険なものTOPは「ブレーキ」であろう。

 そんなクルマの最重要パーツである「ブレーキ」からの異常サインのひとつに、ブレーキ踏みつけ時の「ガタガタ音」がある。

 ブレーキを踏んだ際、「ガタガタ」という音とともに、異常振動を感じることがあれば、あなたの愛車はすでに危ない状態かもしれない。

文:吉川賢一、写真:ベストカー編集部


ブレーキペダルからのガタガタ振動はクルマからの「危険サイン」

 サスペンションやタイヤなどに不備がないのに、ブレーキング時に、ブレーキペダルや車のフロアがガタガタと振動する現象は、「ブレーキジャダー(Brake judder)」と呼ばれる。

 「judder」とは「揺れる」という意味であり、日本ではこの「ブレーキジャダー」のように、クルマにおける異常振動を表す言葉として用いられている。

 ステアリングホイールが回転方向に振動する「ステアリングシミー(Steering shimmy、「shimmy」=「振動」)」を伴うこともある。

 一般的に、ブレーキジャダーの原因は、ブレーキのディスクローターが何らかの原因で歪んだり、厚みが不均一になったことで、減速時に発生する制動トルクが変動し、これが振動となってしまうことにより発生する。

ディスクブレーキ(ブレーキパッドをディスクローターに押しつけることによって自動車を制動するブレーキシステム )

 ディスクローターは車輪と一緒に回転するため、この振動は、周期的に発生する。これがサスペンションと共振現象を起こして、振動が増幅され、車体のフロアやステアリングラックを伝わり、ブレーキペダルやステアリングホイールに異常が現れる。

 ブレーキジャダーが発生してしまうと、異常な振動に加えて、ペダルを踏み込んでもブレーキが効きにくくなり、制動距離が伸びる。

 コーナーを曲がる際、コーナー手前でいつも通りのブレーキングをして減速しようとしても、減速できずに、オーバースピードとなり、コーナーで膨らんでしまうことも考えられ、大変危険だ。

ディスクローターの歪みや偏摩耗はなぜ起きるのか

1.ローターの錆が原因でディスクが削れる

 ブレーキのディスクローターの錆は、湿気の影響で簡単に発生する。雨が降った日の翌朝など、ディスク表面にうっすらと茶色い模様が浮いているところを見たことがないだろうか。

 また、寒冷地のように融雪剤の多いところでは、より錆が起きやすい。ただ、こういった場合の錆は、再び走行すれば自然に削り落とされていく。

 しかしながら、その削られた錆の粉が厄介で、パットとローターの間に挟まった錆粉がローター表面をレコード盤のように削り込んでしまう。これにより偏摩耗が起きてしまうのだ。

 これを防ぐには、洗車時にブレーキ周りもきれいにし、錆の粉を少しでも落としておくことだ。なお、長年放置されていて、錆の具合が激しいローターには、ローター研磨やローター交換が必要になることがある。

ローターの消耗は安全にも関わるので、細やかなメンテナンスと交換が必要

2.異常発熱によりローターが変形する

 ディスクブレーキは運動エネルギーを熱エネルギーに変換することで減速する仕組みだ。このため、純正装着ブレーキは、ローターが熱によって変形しないよう設計されており、通常の使い方をしている限り、簡単に歪んだりすることはない。

 しかしながら、サーキット走行のような、高速走行からのフルブレーキングを多用するなど、ブレーキローターの温度を上げてしまう使い方をしていると、熱膨張したローターのひずみが蓄積されていき、歪んでしまう。

 強いブレーキングをする用途でクルマを使うならば、日ごろからローターの摩耗をチェックし、ブレーキシステムごと強化部品へ交換することが得策だ。

3.ブレーキパッドの引きずりでローターが偏摩耗する

 ブレーキを作動させていないときも、パッドとローターは完全に離れるわけではなく、わずかながら引きずりを起こしているため、パッドと接触が激しい部分は徐々に摩耗していく。

 特に、パッドの位置を調整するシールが劣化すると、パッドの戻り量が設計値(数10ミクロン)より少なくなるため、 より擦れやすくなる。

 これを防ぐには、車検のときなどに、シール類の交換や、 キャリパの清掃をしておくことだ。ぜひブレーキ類のチェックは定期的に行ってほしい。

車検・点検時にブレーキ周辺も念入りに検査しよう

まとめ

 仮に、ローター研磨をしてブレーキジャダーが一時的に収まったとしても、一度でも激しいジャダーが起きた車両では、この現象は再発する。

 これは、ハブベアリングや、ナックル、サスペンションブッシュなど、周囲の部品にもダメージが蓄積されているためだ。

 ブレーキジャダーを防ぐには、愛車を痛めつけない使用の仕方とメンテナンスが大切だ。ブレーキジャダーの予兆を感じたら、早めにメンテナンスを行うようにしよう。

※編集部注/セルフ式ガソリンスタンドが現在ほど普及していない時代には、ブレーキから異音があればスタンドの店員が気づいてドライバーに指摘する機会が増えた。

 また、クルマの購入方法も変わってきて、かつてのようにディーラーや中古車店に通ってじっくり選んでから買うケースは減り、Webで調べてからディーラーへ向かい、さっと購入するパターンが増えたことで、自動車関連店舗とユーザーの距離が離れるようになり、結果、クルマの不具合に気づく手段が減っている、という現状がある。

 もちろん技術は進歩しており、クルマは日進月歩、安全で安心な乗り物になっているのだが、それとは別に、クルマの不具合に気づきにくい時代にもなっているのではないか)

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