電動エグゼクティブカーの最前線を走るXiaomi SU7 Ultraに、ついにサーキット仕様「Track Package」と究極の限定モデル「Nurburgring Limited Edition」が登場。0-100km/h加速1.98秒、最高速350km/hの衝撃スペックは本物か?中国市場で先行導入されたこの2モデルの中身と、その開発背景を深掘りする。
文:ベストカーWeb編集部/画像:PRTimes
ニュル最速EVの称号を引っさげて、Xiaomiが“本気”のサーキット仕様を投入
「スマホメーカーが作ったクルマ」と侮るなかれ。
Xiaomi SU7 Ultraは、電動セダンの頂点を狙うフラッグシップモデルだ。その上位仕様として今回新たに発表されたのが、サーキット走行を想定した「Track Package」と、さらにプレミアム性と希少性を極めた「Nurburgring Limited Edition(ニュルブルクリンク限定版)」である。
注目すべきは、量産型EVとしてニュルブルクリンク北コースで最速タイム(7分04秒957)を記録したという事実。これはポルシェやテスラがひしめくEVセグメントにおいて、Xiaomiが「走り」で勝負できることを証明する大金星だ。
Track Package:200万円相当で味わえる“異次元EV体験”
まずはTrack Packageから見てみよう。スタンダードなSU7 Ultra(52万9900元)に対して、+10万元(約220万円※1元=約2.2円換算)で追加できるこのパッケージは、まさに“走り屋のための工場出荷仕様”。
搭載されるのは以下の通り:
・Bilstein製「EVO R for Ultra」車高調
・ENDLESS製高性能ブレーキパッド
・ピレリ製セミスリック(TROFEO RS)含む2種タイヤセット
・カーボン製フェンダー/ルーフ
・専用21インチ鍛造ホイール
組み合わせにより、最大出力1548PS、0-100km/h加速は1.98秒、最高速度350km/h。
これはもはや“EV版F1マシン”といえるレベルだ。さらに、足まわり・冷却・制動の最適化で、本気のサーキット走行に耐える構成となっている。
筆者が注目したのは、パーツブランドの選定だ。BilsteinやENDLESS、Pirelliといった世界の一流メーカーを起用している点に、Xiaomiの本気度を感じる。
Nurburgring Limited Edition:限定10台、“合法レースカー”のすべて
さらに驚かされたのが「Nurburgring Limited Edition」だ。
価格は81万4900元(約1800万円)。一見すると超高額だが、内容を見れば納得せざるを得ない。
・FIA認証カーボンファイバー製レーシングバケットシート
・6点式シートベルト
・セミロールケージでねじり剛性12%向上
・カーボン製アンダーパネルで最大44kgのダウンフォース
・フルカーボン外装&内装
・限定10台(2025年は)、総生産でも100台限定
これらはすべて、Xiaomiがニュルで得た知見をそのまま市販車に落とし込んだ結果だ。しかも“公道走行可能”。このあたり、かつてのポルシェGT3 RSやAMG Black Seriesを彷彿とさせる仕上がりだ。
スマホ企業がEV業界に風穴を開けた日
XiaomiといえばスマートフォンやIoT家電で名を馳せた企業だが、今回のSU7 Ultraシリーズで自動車メーカーとしても本格的な存在感を放ち始めている。
特に“電動×サーキット”という新たな市場において、Xiaomiのような新興企業がこれほどの完成度とブランド力を見せたことは、既存メーカーにとっても大きな脅威だろう。
今後、中国国外への展開も噂されており、日本市場への導入が実現すれば「電動スポーツセダン戦争」はさらに過熱することは間違いない。


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