「コ・ドラやってみる?」 そんな一言をきっかけに、自動車ジャーナリスト(修行中)の黒木美珠がTGRラリーチャレンジ渋川戦でラリーデビュー! ラリー取材経験はあれど、出場するのは今回が初めて。ペースノート、装備の使い方、SSへの道案内など、ゼロから挑んだ”初めてのラリー”には、想像以上の緊張と発見、そして楽しさが詰まっていた。観るだけじゃわからない、やってみてこそ気づけるラリーのリアルとは?その一歩目を綴った体験レポートです。
文:黒木美珠/写真:ベストカーWeb編集部、西尾タクト
【画像ギャラリー】若手ジャーナリストが思わずおかわり希望? 楽しさ前回の初ラリーに大興奮(8枚)画像ギャラリー方向音痴でコ・ドライバーが務まる??
「コ・ドラやってみる?」、「あ、やりたいです!」。そんな軽い会話(?)から始まり、今回のTGRラリーチャレンジ渋川戦に国沢さんのコ・ドライバーとして参戦することが決まりました。
初参戦が決まったとき、頭に浮かんだのはふたつの心配事です。ひとつは、ノートを読みながら猛スピードで駆け抜ける車内で酔ってしまわないかということ。もうひとつは、方向音痴でナビですらたまに間違える私に、コ・ドライバーが務まるのかという不安でした。
まず『酔い』については結論から言うと、酔い止め薬を飲んで完全にクリア! 車酔いが心配でラリーに挑戦できずにいる方がいたら、まずは酔い止めを味方につけて、ぜひ一歩を踏み出してみてください。ただし、後者の懸念、『地図を読む』という部分。こちらは、のちにきっちりフラグ回収されることになります(…国沢さん、本当に申し訳ありません!!!)。
レッキからラリーの洗礼を浴びると思いきや?
ラリーの前日は、レッキと呼ばれるコースの下見がメインイベントです。「ロードブック」と呼ばれる、SS(スペシャルステージ:タイムアタック区間)までの道順や案内が描かれた冊子を頼りに、コ・ドラがルート案内をします。
最初は難しく感じましたが、だんだんと案内図の見方に慣れてきて、ナビもスムーズに。無事にSS1に到着したときには、「あれ、私…地図読むの得意になったかも?」なんて、ちょっとした自信まで芽生えていました(※のちに勘違いだと気がつきます)。
レッキでは、SS区間をゆっくり走りながら、ドライバーが「60(m)」「右6」といった情報を読み上げ、それをコ・ドラがメモしていきます。この「ノートを書く」という行為こそが、最初の実感ポイント。「あ、私、コ・ドラやってるんだなぁ」と、ちょっと頬が緩みました。
迎えた本番当日。まずは観客の前で行われる「セレモニアルスタート」。手を振ってもらいながらスタートラインを通過するのは、やはり気持ちが高ぶるものです。そしてここからは、私がSSまで道案内をしSS1に到着。バラクラバをかぶり、ヘルメットを装着。5点式のシートベルトをこれまでになくキツく締め込み、あとは神頼み。
スタートの10秒前からカウントダウンを読み上げます。「3、2、1、スタート!……50、右3、20!」。ペースノートを読み上げる声がエンジン音にかき消されないように、と思っていましたが、実際にはインカムを装着しているため、少し声を張る程度でしっかり届くことを初めて知りました。
クルマが指示通りに曲がって「楽しい!」
前方を見ながら、次の指示を読み上げる。そしてその通りに、信じられないようなスピードでドライバーが操作し、クルマが正確にそのコーナーを駆け抜けていく。「楽しい!」と、思わず心の中で叫びました。自分の言葉でクルマが動き、その通りのラインで走れたときは、頭の中で「ピコン!」と正解音が鳴るような感覚。
まるで音ゲーを成功させたような快感でした。初SSを無事に終えると、ドライバーの国沢さんから「合ってたじゃん、初めてなのにすごい!」という言葉をいただき、嬉しさ倍増。……と、ここで少し調子に乗ったのがいけなかったのかもしれません。
続くSS2。序盤は順調でしたが、途中から少しずつ読み上げが早くなり、タイミングがずれてしまう場面がちらほら。自分でも「先走ってるな」と自覚し、慌てず読み直してリズムを立て直しました。ドライバーに迷惑をかけないように、とにかく必死です。
午前最後のステージ、SS3は観客の前で走る700mほどのショートコース。ぐるっと1周半+1周という構成で、観せる要素もあるセクションです。スタートしてすぐ、最初のコーナーでサイドブレーキを引いて見事なターン!
続くコーナーもスピードに乗って、会場の盛り上がりを背に走行。そして3つ目のコーナーでまさかの「肩輪浮き」発生!クルマの片側がふわっと浮いた瞬間、「きゃっ」と思わず声が漏れてしまいました。ですが国沢さんはいたって冷静に、「気にしないで」とひと言。会場は大歓声。











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