やっちまったぜ、ミスコース!
午前中のSSをすべて無事に走り終えて、ひとまず安心。タイムカードを記入してもらい、路肩で装備を外します。足元に2人分のヘルメットを置き、ようやくひと息……と思っていたところに、ドライバーの国沢さんから「次、どっち?」の声。――そうだ。まだナビ役は続いているんだった。
慌ててロードブックを開き、「左です!」と指示。しかし、これが痛恨の読み間違い。本当は「右」なのに「左」と案内してしまい、次の目印まで1.3kmのはずが一向に現れず、ここで初めてミスコースに気づきました。ルート復帰を試みたものの事故で通行止め! 仕方なく来た道を引き返すも大型観光バスが前をゆったりと制限速度以下で走行し、なかなかペースが上がりません。
リエゾン(移動区間)にも「ターゲットタイム」という目標時間があり、これを超えるとペナルティが課されます。私はもう、申し訳なさと焦りでいっぱい。ようやく本来のコースに戻り、再度ナビゲートしてサービスパークに到着……したのは、2分遅れ。1分につき10秒のペナルティで、合計20秒加算。心からの「本当にごめんなさい!!!」が止まりません。
午後は自身を取り戻してタイムアップ
午後最初のSS4では、タイムが午前より5秒アップ。「ちゃんとノートが読めるってわかったから、今回は読み上げた情報を信頼して走った」と、国沢さん。信頼してもらえたことが何より嬉しく、ラリーが『信頼関係で成り立つ競技』であることを改めて実感しました。
続くSS5は、横転車両があったためキャンセルに。読み上げもタイミングが合ってきていただけに、走れなかったのが残念でなりません。そして最終SS6では、午前と同じ700mのコースながら、今度は『魅せる』より『正確に攻める』走りへとシフト。結果は、なんと4.6秒短縮! 走るごとにタイムが伸びていたからこそ、午前中のペナルティがとにかく悔やまれます。
最終リザルトは総合45位。ペナルティがなければ37位というポジションで、クラスを超えて上位に食い込む実力を見せていただけに、私の『しょうもないミス』で順位が下がってしまったことが、もう悔しくてたまりません。でもこの初ラリーは、驚きと発見、楽しさ、そして悔しさがすべて詰まった濃密な体験となりました。
そして今、心の底からこう思っています。この「ラリーやってみる?」の企画――おかわり、可能でしょうか?
この原稿を書きながらも、あのとき走った瞬間を思い出すたびに胸が高鳴り、どうしようもなくラリーに惹かれている自分がいます。
もしもう一度チャンスをいただけるなら、今度こそ悔しさを晴らして、もっと深くラリーの楽しさを味わってみたい。初めてのラリー参戦は、そんな新しい目標まで与えてくれる、かけがえのない体験になりました。


コメント
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