【岐路に立つホンダの名門】新型アコード今月発売!! 世界と日本で違いクッキリ!?

 ホンダの名門車「アコード」の新型が間もなく日本発売! 時代とともに変わった名門の立ち位置、通算10代目で岐路に立つ名門を日本に投入した意義と難しさとは?

 ホンダは、2019年2月14日にデビューした4代目フィットに続き、ミドルセダン「新型アコード」を今月中に発売予定。

 流通ジャーナリスト・遠藤徹氏のレポート(ベストカー3月10日号)によると「2月21日に発表、発売される」という。

 アコードといえば、1976年の初代発売以来、40年以上の歴史を持つホンダの看板車種。デビュー以降、世界120以上の国と地域で販売され、累計2000万台以上が送り出されている。

 また日本でも、ワゴンやクーペのUSアコードのヒットや高性能モデル「ユーロR」の投入。さらにはJTCC(全日本ツーリングカー選手権)での活躍など、ファンにとっても思い出深い一台である。

 ただ、海外では販売好調な一方、2019年の国内販売台数は年間1056台に留まるなど、日本における「アコード」の存在は大きく変化。新型は、そうした意味でも岐路に立つ一台といえそうだ。

文:大音安弘
写真:編集部

【画像ギャラリー】通算10代目!! 写真で見る新型アコードの全貌は??


通算10代目の名門 新型アコードが日本上陸!!

2月下旬に発売予定の新型アコード(日本仕様)

 10代目となる新型は、現行型のフォーマルセダンから一変し、流行の6ライトウィンドウによる4ドアクーペスタイルへと生まれかったのが大きな特徴だ。

 フロントマスクも同様に、フォーマルからスポーティへと変化。メッキバーとヘッドライトを直線上に結んだ端正なマスクとし、バンパー形状もエアロ形状を強調することで走りのイメージを高めている。

 リアガラスと一体感を見せるルーフラインは、まさにクーペライクなものだが、独立したトランクルームを備えており、その容量も573Lと現行型よりも大型化。今まで同様に、ビジネスシーンを含めた幅広いシーンに対応を可能としている。

新型アコードのリアビュー。従来型に対してやや短く、低くなり、全体として伸びやかなプロポーションとなっている

 気になるボディサイズは、全長4900mm×全幅1860mm×全高1450mm。現行型比較だと、全長-45mm、全幅+10mm、全高-15mmと、ボディのコンパクト化を図りつつ、ホイールベースは拡大し、キャビンの拡大も実現されている。これは日本市場にとって、喜ばしいニュースだろう。

 メカニズムではプラットフォームを刷新。これにより約15mmの低重心化と50kgの軽量化に加え、大幅なボディ剛性の向上も図られている。

 この素性の良さを活かす足回りには、アコード初となる「アダプティブダンパーシステム」を採用することで、細やかな減衰力調整を実現。

 パワートレインは、現行型同様に、アトキンソンサイクルの2Lエンジンを備えた2モーター式ハイブリッドシステムを採用している。

大幅刷新で実力充分!! それでも新型アコードへの注目はなぜ薄い?

現行型レジェンド。2015年に発売され、2018年の改良型(=写真)では外観も大幅に変更。ホンダの最上級セダンに君臨する

 このように新型アコードは、全面刷新が図られている。それにもかかわらず、いまひとつ話題が盛り上がらないのも正直なところ……。その大きな理由として、ふたつが挙げられる。

 まずは、アコードの置かれている現状だ。ハイブリッド専用車として2013年6月にデビューした現行型は、ホンダのフラッグシップセダンとして、好調とはいえないものの一定の支持を得ていた。

 その限られたニーズも2015年に復活したレジェンドに奪われ、激減。翌2016年には、性能の向上を図りながら、セダンらしいフォーマルさを強めるマイナーチェンジを実施するも、これが不評に……。

 結果として、更なる窮地へと追いやられてしまった。つまり、悲しいことに世間のアコードへの関心は、冷え切った状況にあるといえるのだ。

約2年遅れで登場!! 新型投入のタイミングも理由のひとつ

モーターを主体としたハイブリッドによる力強い走りも売りの従来型アコード。北米での新型が発売以降も、日本ではこちらのモデルが販売されている

 もうひとつは、新型投入のタイミングにある。10代目となる新型アコードは、2年半ほど前となる2017年7月の北米発表を皮切りに、世界展開が開始されている。

 当然、クルマ好きだけでなく、多くの人々が海外仕様の情報は、WEBニュースなどを通じて知っており、このタイミングで、日本仕様を見せられても新鮮味が薄い。

 ホンダによると、「グローバルモデルは、地域ごとのモデルサイクルに合わせて投入している。アコードは、日本で2016年6月にマイナーチェンジを実施したため、2020年のフルモデルチェンジが最適と判断した」とのこと。

 企業としては、正しい判断といえるが、これだけ大胆な改革を行った新型アコードだけに、その登場を待ちわびていた日本のファンも多かったはず。特に自動車の進化と流行が目まぐるしく変化する時代で、2年以上の時間は、少し長すぎたことも否めない。

新型アコードは海外でカムリ以上の大ヒット車

アコードと同じくラージセダンのカムリ。2019年は国内計1万9221台と月平均1600台以上を販売したが、海外ではアコードの存在感も大きい

 そんな新型アコードの実力を探るべく、世界販売台数を調べてみると、直近の3年間では、平均して50万台前後を販売している。そのうち約9割を担うのが、2大市場である中国と北米だ。

 その動向に注目してみると、セダンニーズが高い中国では、大人気車となっている。2019年は中国市場でアコード初となる年間20万台越えの21.8万台を販売。ライバルとなるVW パサートやトヨタ カムリを抑え、Dセグメント販売No.1に輝いている。

 一方、北米では、新型に完全に切り替わった2018年度は、29.3万台。2019年は25.9万台と落ち込みを見せる。この点は、アコード不評というよりも、米国市場の動向を考慮しなくてはならない。

 近年、米国の乗用車販売台数は、マイナス成長に陥っており、2019年は前年比-10%も落ち込んだ。過去3年は、-10%代の減少を見せており、依然回復の兆しが見られない。

 このため、各社はインセンティブの強化などに、その打開策を見出している。ホンダによれば、「他社と比べてもインセンティブの水準が低いため、より影響が大きい」と分析しているようだ。

ホンダの名門「新型アコード」日本投入の意味と難しさ

2002年発売の7代目アコード。従来から同車が持つスポーティさを象徴するモデルとして「ユーロR」も設定された

 話を日本へと戻すと、このタイミングで、新型アコードを導入することは、良い側面もある。それは世界中の新型アコードの中で、日本仕様が最新となることだ。当然、他の市場からのフィードバックも盛り込まれているだろう。

 さらに日本専用仕様として、アダプティブダンパーシステムのチューニング変更を行い、ドライブモードに、他地域向けにはない「Comfortモード」を追加。装備内容も日本市場向けに最適化されているという。

 もちろん、ホンダ自身もセダン市場の縮小を充分理解しており、供給体制をアコードのニーズが高いタイで生産し、輸入するという方法を選んだ。仕様もモノグレード展開とすることを明かしている。

 セダン不況の中、ホンダは、グレイスからレジェンドまで6車種のセダンを揃える。正直、ライバルとの戦いだけでなく、ブランド内でのカニバリズムも考えられる。

 それでも導入を決意したのは、アコードが40年以上も長きに渡り、ホンダが世界中のユーザーと共に育んできた一台。まさにホンダの今を映す鏡ともいえるモデルだからではないだろうか。

 このご時世だ。国内販売の主力となることは難しい。しかし、それでもアコードを日本のユーザーに届けるのは、そんなホンダの心意気が表れているのだと思う。

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