【つわものどもが夢のあと】市販されなかった日本の小型FRスポーツ

日産フォーリア

初公開:2005年東京モーターショー

セドリック/グロリアを彷彿とさせるフロントマスクの4人乗りのFRスポーツクーペのフォーリアは、シルビアの再来として期待された

 2005年の東京モーターショーに出展されたフォーリアは全長4350×全幅1695×全高1370mmという5ナンバーサイズのボディサイズの4人乗りのFRクーペで、2002年に姿を消したシルビアの再来と期待されたコンセプトカーである。

 確かにフォーリアはボディサイズやFRという点では確かにシルビアを思わせた。しかしドアはリアシートへの乗降も配慮したマツダRX-8のような観音ドアだった。

フローリアはFRスポーツクーペながらリアシートの乗降性を考慮した結果、観音開きドアを採用しているのが特徴だ

 インテリアもラグジュアリーな方向と、どちらかといえばスカイラインクーペの小型版のようなポジションで、今になるとシルビアの再来というのはちょっと違うように感じたが、市販の可能性が高いと言われていただけに市販されなかったのは残念だ。

日産IDx

初公開:2013年東京モーターショー

奥が標準タイプのIDxと手前がレーシングバージョンのIDx NISMO。2台は無理でも1台は市販したい、と意気込んでいたのにどちらも市販化されていない

 2013年の東京モーターショーにサプライズ出展されたIDxは、名車である型式510の3代目ブルーバードを彷彿とさせるクラシカルなスタイルを持つ4人乗り2ドアクーペのコンセプトカーである。

 標準車のフリーフローはジーンズのようなシート地と車内側のドアハンドをバックのベルトのような材質とし、モダンさとレーシングカーのようなスパルタンさを融合。

大ヒットしたブルーバード510をオマージュしたエクステリアはコンセプトカーの域を出ないが、市販の期待が高かったためがっかり感も半端ない

 同時に510ブルーバードが現役だった頃のレーシングカーのようなビス止めのオーバーフェンダーなどが着きよりレーシーな雰囲気を持つIDxニスモも出展され、反響は非常に大きかった。

 なおパワートレーンは1.2から1.5リッターのガソリンエンジン+CVTと、駆動方式は公表はされなかったが、FRであることが判明していた。

 東京モーターショーで、当時の日産の副社長であったアンディ・パーマー氏は、「どちらか1台は市販したい」と意気込んでいたにもかかわらず、いまだに市販されていない。反響が大きかっただけに残念すぎる。

 しかし現代であればFF車のプラットホームからe-POWERを使った後輪駆動車が成立するという可能性もあり、今からでも遅くないから市販化を願いたい。

日産は86/BRZととは違ったカタチでFRスポーツを訴求する、との宣言どおり、IDxはトランスミッションはCVTで、インテリアもラグジュアリー路線だった

ダイハツFR-X

初公開:1997年東京モーターショー

1991年に公開されたライトウェイトオープン2シーターのX-021。駆動方式はFRで、マスコミ向けの試乗会で乗った人はその完成度の高さに絶賛する人多数だった

 ダイハツは1991年の東京モーターショーにFRのライトウエイトオープン2シーターであるX-021を出展するなど、小型FRのスポーツモデルの可能性を探った時期がある。

 X-021はアルミ製スペースフレームにFRPボディ、フォーミュラカーのような四輪ダブルウィッシュボーンサスペンションを持ち、車重は700kg。

 フロントミッドに140馬力の1.6L、直4気筒SOHCエンジンを搭載し、パワーウエイトレシオは5kgという本格的なものだった。ショーモデルながらマスコミ向けに試乗会を開催するなど、気合が入っていた。

X-021の次にダイハツがFRスポーツを提案したのがFR-X。全長3540×全幅1540×全高1390mmという超コンパクトなボディ+FRは可能性を秘めていた

 X-021に続き1997年の東京モーターショーに出展されたFR-Xは全長3540×全幅1540×全高1390mmというボディサイズの3ドアクーペとなるFR車である。

 エンジンは当時の軽自動車のものを拡大した850ccの3気筒ターボ(最高出力100馬力&最大トルク12kgm)とそれほどではないが、車重が750kgと軽量なため、FR車らしい爽快な走りが期待された。

 ダイハツ単体で小型FRのスポーツモデルを作ることは難しいとしても、トヨタとのアライアンスを生かしたそんなクルマがダイハツらしく安価に市販化されたら、クルマ好きにはこんな嬉しいことはない。

ダイハツは東京モーターショーでかなりのサプライズを起こしてきたが、FRスポーツのFR-Xもその1台。次はどんな驚きをもたらしてくれるか楽しみ

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