■カテゴリーによって変わる中古車の狙い時
3月や9月の需要期は相場が高めになるから、外したほうがいいというのであれば、いつが中古車の買い時と言えるのだろうか。先ほど話したように中古車は需要と供給のバランスで相場が決まる。したがってほかの人が買いに出ないタイミングこそ、中古車が狙い目なのである。
登録台数データからすると、1月、8月、12月が少なくなるので、この3カ月は狙い目となる。なかでも8月は多くの人が夏休みなどで外出するため、クルマを買おうという人は少なくなるので、特に狙い目だ。
そのほか中古車の特徴としては、ボディタイプごとに季節的な要因によって相場が動くタイミングが異なる。例えば、オープンカーは気候のよくなる5月のゴールデンウィーク明けから相場が上昇し、秋口まで高値安定する。そのいっぽうで、寒くなる11月から2月はオープンカーが底値となるので、オープンカーは冬のほうが狙い目となる。
また、人気のSUV系のなかでも4WD車は北海道では9月、そのほかのエリアでも10月くらいから値上がり傾向を示すことがある。それはウィンタースポーツシーズンが始まるほか、降雪による影響があるからだ。以前と比べるとこうした季節的な要因による相場の変動は小さくなっているものの、これが需要と供給のバランスによって価格が決まる中古車らしい特徴だ。
■中古車の購入時に気を付けたい「値引きするよ」の一言
新車は3月や9月の決算期になると値引き額が上積みされたり、下取り価格が高くなったりすることはある。同じように中古車も、決算期などは値引きしてくれるのか? と考えている人もいるはずだ。きっぱりと言っておくが、中古車を販売店に見に行って「今日決めてくれるのならば、●万円値引きするよ」と言われたら、その販売店では購入することはオススメしない。
諸費用の数百円程度を引いてくれるならまだしも、数万円の値引きなんて中古車ではありえないからだ。先程から何度も書いているとおり、中古車は1台1台、コンディションが異なるため、同じ車種、年式色、装備であっても定価はない。定価がないということは、販売店の自由に価格を決めることができるのだ。
元々、数万円値引きするつもりでプライスボードに高めの価格を付けている可能性もあるし、そもそも中古車の場合、値引きは二重価格ということになり自動車公正取引協議会で禁じられているのだ。したがって、「値引きします」という販売店はそもそも信頼度が低いと考えるべきである。
■2020年3月時点で狙い目の旧モデルとは何か!?
中古車相場が最も大きく動くのは、自身が世代交代(フルモデルチェンジ)を行ったあと。当然のことながら、新型車のほうに注目は集まるし、旧型となった中古車は価格を下げて売らざるを得ないのだ。こうして考えてみると、中古車最大の需要期である3月が過ぎた4月~5月で、しかも最近フルモデルチェンジをしたばかりの旧型モデルが狙い目ということになる。
具体的には軽自動車ではスズキ「ハスラー」。未使用中古車も大量に出回っており、高年式車であれば運転支援システムも充実しているので、高齢者が購入する際にはサポカー補助金の対象となる。
そして、ホンダ「フィット」とトヨタ「ヴィッツ」も狙い目と言える。ハスラーのように未使用中古車はほとんどないが、運転支援システムが搭載された高年式車でも100万円以下で購入できるリーズナブルな中古車が増えてくるのは大歓迎だ。
中古車を少しでも割安に購入するためには、フルモデルチェンジのタイミングや登録台数の多い3月、9月を外すことだけは知っておくべきだろう。
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