2020年も早いもので、もう3月に突入した。3月は国内自動車メーカーの決算期で、新車販売では大幅な値引きが期待できる時期として有名だ。しかし、新車ではなく、中古車購入を考えている、という人も多いことだろう。
新車のように、中古車も3月などの決算期がお買い得なのか? ふと疑問に思う人もいるのではないだろうか。今回は、いい中古車をお得に購入したい人が憶えておきたい、中古車に関する知識と、2020年3月上旬時点でお買い得な中古車が狙えるモデルを、中古車事情に詳しい萩原文博氏が指南する。
普通では教えてくれない、中古車購入のための知識。すぐに活用できる情報をお届けしたい。
文/萩原文博
写真/Adobe Stock
【画像ギャラリー】中古車販売の1年の動きと、2020年3月時点でベストカーが薦める狙い目モデル!
■決算期の翌月に顕著な落ち込みをみせる新車販売
一般的に年度末の決算月となる3月は、卒業や就職そして転勤などがあるため、一年を通じて最もクルマが売れる時期と言われている。
一般社団法人 日本自動車販売協会連合会が発表している新車登録台数データによると、普通車と小型車を合計した乗用車は2019年の1年間で、282万1886台登録された。
最も多い3月は35万7254台で、約12.6%を占めている。次に多いのが半期決算を迎える9月で、30万280台。一方、最も少ないのは10月の16万4672台で、3月の半分以下の数字だ。
そして10月に次いで少ないのは4月の19万9587台となっている。やはり販売店は決算の数字を少しでもよくしようと3月、9月の決算月に値引きなどエネルギーを注ぎ込むため、その翌月はパワーダウンしていることが登録台数データに表れている。
■中古車購入のポイントは3月&9月を外すこと!?
では、中古車はどうだろうか。2019年の1年間で乗用車(普通+小型)の中古車は337万1104台登録され前年比100.4%と微増した。最も多いのは新車と同様に3月で41万5897台となっている。次いで多いのが9月の29万8297台とやはり中古車も決算月に売れているのがこの数字からわかる。
一方、登録車の中古車が最も登録台数が少ないのは1月の23万5385台で、12月の25万4445台、11月の25万4833台が続く。2019年は年明けの1月と8月そして12月という暑い時期と寒い時期が中古車の登録台数が鈍っている。しかし、1月と3月を除くと大体25万~30万台の間に収まっており、中古車は新車と比べると季節による変動は少ないように感じられる。
しかし、忘れてはならないことがある。新車は人気車であろうと、そうでないクルマであっても車両本体価格という“定価”があり、決算月などは値引きという不確定な要素が関わってくる。その値引きを期待して、3月や9月に購入するユーザーが増えるのだ。しかし、中古車はいわゆる定価はない。
中古車はよく“一物一価”と言われていて、同じ車種、同じ年式、ボディカラー走行距離だとしても、全オーナーの使い方やメンテナンスの頻度によって同じコンディションのクルマは世の中にほかにはないのだ。最近ではオートオークションが主流となっているため、大体の目安はわかってしまうが、それでもこれまでのクルマの履歴によって中古車の販売価格に違いが付く。
そして、もうひとつ。定価のない中古車は、需要と供給のバランスで価格が変動するのだ。例えば、日産 スカイラインR34GT-Rのようにすでに生産が終了していて今後中古車が増えることがないようなクルマの場合、供給量が少ないにも関わらず、欲しい人すなわち需要が多いため、オークションなどでの価格がつり上がってしまうということになるのだ。
すなわち、中古車は3月や9月のような多くの人が購入する需要期は、販売店は相場を多少高くしても中古車は売れるので、割高になる傾向があるのだ。しかし、デメリットばかりではない。多くの販売店は需要期に向けて、買い取りや下取りなどを強化するため、在庫が充実していて、自分の条件にあったクルマが見つけやすいのだ。
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