トヨタは2025年11月10日、10年ぶりのフルモデルチェンジとなる、新型ハイラックスを世界初公開した。はたしてどんなモデルに仕上がっているのか、解説していこう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:トヨタ、トヨタタイランド
薄目のライト、ランクルにインスパイアされたデザイン!
2025年11月10日午後、トヨタはタイ・バンコクにおいて9代目となる新型ハイラックスを世界初公開した。冒頭のプレゼンテーションでは、チーフブランディングオフィサーのサイモン・ハンフリーズ氏は以下のようにコメントを発表した。
「2004年豊田章男さんが当時アジア本部長だった時にIMVプラットフォームを立ち上げ、その旗手としてハイラックスが登場しました。今では多くの方が“タイの国民車”と呼んでいただいていることを誇りに思います。ハイラックスは世代を重ねるごとに、道、エンジニア、そして何よりも世界中のお客様の声によって、より強く進化してきました。今回発表した新型ハイラックスには、カーボンニュートラルの実現に向けて、ひとつの答えではなく、マルチパスウェイで取り込みます」とコメント。
さらに国際相撲連盟の会長でもある豊田章男氏の計らいで、元横綱の白鵬 翔さんが会場に訪れた。
「グローバルなクルマの発表にご招待いただき、ありがとうございます。相撲も(ハイラックスと)同じく世界の舞台に広げていきたいです。相撲とは清らかさを重んじる競技です。それは身体だけでなく、精神的な強さを鍛えるものです。相撲を広めることで、世界から差別や偏見をなくす希望を届けられると信じています」とコメント。
さて、世界初公開となった新型ハイラックスを見ていこう。まずはエクステリアデザインと、ボディサイズについて。まず目に入ってくるのは、コの字型(正確にはLとーを組み合わせたもの)のデイタイムランニングライトとTOYOTAのロゴが入ったフロントグリル。RAV4コアやカローラクロスにも似たフロントマスクだが、グリルやヘッドライト回りが全体的に厚みが薄い。
その下にエンジンを冷やす必要のある、ハニカムグリルの奥にラジエターが見える方がICE、グリルレスがBEVとなる。
新型ハイラックスのスタイリングは「タフ&アジャイル(機敏な)」をテーマとして開発された。リリースでは新型ランドクルーザー(250か?)にインスパイアされたデザインとし、乗り降りを容易にする新設計のリアデッキステップや新デザインのサイドステップを新たに採用したとのこと。
発表会場には、シングルキャブ、ダブルキャブ、2WDの豪華版のプリランナー、よりアウトドア色を強めたオーバーランド仕様(ランクルFJにも設定)などが展示されていた。特にマットグレーのオーバーランド仕様やグリルに黄色いフォグランプが埋め込まれた仕様はカッコよかった。
ハイラックス初のBEV搭載、FCEVもあり
プラットフォームは従来のIMVラダーフレームのキャリーオーバー。ボディサイズは全長5320×全幅1855×全高1800mm、ホイールベースは3085mm(BEVの数値)。現行ハイラックスは全長5340×全幅1855×全高1800mmだから、サイズはほぼ同じだ。
注目のパワートレーンはマルチパスウェイの考え方のもと、ICE、48Vマイルドハイブリッド、BEV、燃料電池車がラインナップされる。
まず、2.4Lディーゼルエンジンや2.7Lガソリンエンジンは2.8Lディーゼルエンジンにとって代わり、タイや日本、東欧市場に投入。2.8L+48Vのマイルドハイブリッドは引き続き販売好調な西欧市場で販売される。
BEVは59.2kWhのリチウムバッテリーと前後のeアクスルを搭載し、バッテリーパックはフレーム幅を最大限生かしつつ床下に収まるように搭載。システム最高出力は144kW(196ps)、航続距離300km以上と発表された。
オフロード性能は、マルチテレインセレクトシステム(MTS)によってさらに向上。また、マルチテレインモニターは、困難な状況下での車両の姿勢維持をサポート。パノラミックビューモニターも用意されており、駐車やオンロードでの正確な操作をサポートする。
ICE、BEVともにMTSのモードセレクトおよびドライブモードスイッチによって走行状況に応じて調整できるほか、パートタイム4WDのICEには2H、4H、4Lの切り替えレバーが設置されている。























コメント
コメントの使い方