カワサキのフラッグシップスーパースポーツ「Ninja ZX-10R」が大幅進化を遂げ、レース専用モデルとして期間限定で受注を開始した。新デザインのウイングレットや最適化されたシャシーなど、MotoGP直系の技術が凝縮された最新モデルの魅力を深掘りした。
文:ベストカーWeb編集部/画像:PRTimes
新型Ninja ZX-10Rレース専用モデルが目指した“空力+操安”の新境地
2025年11月21日、カワサキが「Ninja ZX-10R レース専用モデル」の受注開始を発表した。受付期間は【11月21日〜12月16日】と約1か月弱。受注生産であり、公道走行不可・ナンバー取得不可という完全レース仕様の特別モデルだ。
今回の最大のトピックは、新デザインのフロントカウルに統合されたウイングレットである。MotoGPマシンを彷彿とさせる左右のウイングレットは、見た目の迫力だけではなく、高速域でのフロント荷重を増加させ、安定性と操舵性を大幅に向上させる役割を担う。
カワサキ自身が「空力性能の向上」を前面に押し出しているように、いよいよ市販レースベース車にも本格的なエアロ戦争が到来した印象だ。
● 進化したシャシーセッティングとレース直系パーツ
ウイングレットにより増加した前輪荷重に合わせ、サスペンションセッティングとシャシージオメトリーが全面刷新されている点にも注目したい。
搭載されるのはおなじみのSHOWA製BFFフロントフォーク & BFRC-liteリアショックに加え、オーリンズ製ステアリングダンパーも標準装備。高荷重域での接地感や安定性がより一段と高められている。
また、IMU(慣性計測ユニット)を核にしたKTRC(トラクションコントロール)、KLCM(ローンチコントロール)をはじめとした電子制御群や、アップ・ダウン両対応クイックシフター(KQS)など、現代レースシーンには欠かせない制御類も充実している。
●「走りの質感」を引き上げたパワーユニットと操作系
高回転まで鋭く吹け上がる水冷4ストローク並列4気筒エンジンは、ZX-10Rの代名詞ともいえる存在だ。今回のモデルでもその魅力は健在で、電子制御スロットル(ETV)との協調制御により、より精緻なトラクションとアクセル操作感が得られる。
また、音声コマンド対応のスマホ連携システムを備えるフルカラーTFTメーターは視認性も高く、ガジェット好きのライダーには嬉しいポイントだ。
● スタイリングも“戦闘力高め”に進化
ウイングレットと鋭角的なカウル造形が組み合わされたデザインは、まさに“サーキットで戦うための姿”そのもの。カラーリングはメタリックマットグラフェンスチールグレー×メタリックスパークブラックの1色設定で、シックなのに迫力ある佇まいだ。
標準タイヤには、最新ハイグリップストリートタイヤBATTLAX RACING STREET RS12が採用されており、レースベース車両としての適応性も高められている。
限定受注・価格・納期情報まとめ
・車名:Ninja ZX-10R レース専用モデル
・メーカー希望小売価格:209万円(税抜190万円)
・受注期間:2025年11月21日〜12月16日
・納入時期:2026年3月上旬より順次
●注意事項:
・公道走行不可(ナンバー取得不可)
・保証(クレーム)対象外
・ABS非搭載
・受注上限に達し次第終了
・U.S.カリフォルニア仕様
なお、リリース内で案内されているPDF(主要諸元表)には、車体寸法や装備重量、燃料系統など詳細スペックが記載されており、購入検討者は必ずチェックしておきたい。


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