アコードとフィットは国内外で立場逆転!? ホンダ世界販売4~6位
4位:アコード/57万8485台
日本では、すっかりマイナーなモデルとなってしまったアコード。2019年の販売台数は1056台と振るわない。
しかし、世界ではホンダのベストセラーセダンとして大活躍。アジア地域、特にタイでは、ライバルとなるトヨタ カムリよりもポジションが上とされるなど、すこぶるイメージが良い。
ようやく日本仕様も世界共通のスポーティなスタイルに生まれ変わった。そのスタイルと新2モーターハイブリッド「e:HEV」を武器に健闘を祈りたい。
5位:フィット・ジャズ/43万5931台
日本では、かつてのシビックのポジションを担うフィットは、新型登場で日本でも話題の一台だ。初代から世界中で販売されるが、意外にも、そのポジションは5位に甘んじる。
その理由は、最大市場のひとつ、米国市場の2019年販売台数をみれば一目瞭然だ。シビックとCR-V、アコードが20万台以上を販売するのに対して、フィットは約2万7000台に留まる。米国のような大きなクルマのシェアが高い国では、小さいがゆえ、数が伸びない現実もあるようだ。
6位:N-BOX/25万3502台
日本でもっとも売れている自動車のN-BOXは世界6位にランクイン。もちろん、軽自動車であるため、展開は日本のみ。
自動車大国でありながら、クルマが売れない状況に陥る日本で、Nシリーズの成功がホンダを如何に支えているかがわかる。
ちなみに、鈴鹿地域で集中的に開発生産されるNシリーズは、ホンダの生産技術の先行投入も行われており、その成果は世界展開されている。軽自動車作りの意義は大きいようだ。
日本未発売モデルが続々登場!! ホンダ世界販売7~10位
7位:ブレオ/20万3551台
ホンダが新興国向けに展開するAセグメントのコンパクトカーが7位にランクイン。
2代目フィットがベースだが、サイズダウンが図られた低価格のエントリーホンダだ。タイを中心に展開される初代モデルは2011年に登場。
インドネシアでは、僅かにサイズアップされた2世代目となる新型を2018年に投入。初代のプラットフォームの一部を流用するなどし、開発コストを低減した5ドアハッチバックだ。
現時点では、地域のニーズに合わせ、新旧が共存するユニークな展開を行っている。
8位:クライダー/19万7768台
セダン人気が高い中国市場向けに、中国人スタッフが中心となり、開発。まさに中国人のためのホンダ車である。最大の特徴は、シビックよりも大きいミドルサイズのセダンであることだ。
2018年に全面刷新され、新型に進化。パワーユニットは、なんと1.0Lのダウンサイズターボを搭載。ちょっと力不足に思えるが……。シビックよりも抑えられた9.98万元(約150万円)という低価格も受けているのだろう。
9位:シティ/19万2958台
2019年秋のタイ国際モーターエキスポで、5世代目へと進化したシティは、コンパクトな4ドアセダン。日本人にも馴染み深いシティの名が与えられているが、先代モデルの日本仕様は、グレイスの名で親しまれ、ホンダ純正教習車としても活躍中。
新興国向けの戦略車で、従来型は、世界60の国と地域で展開。新型も同様に、順次世界展開されるという。タイ仕様は、現地の環境対策に合わせて、全車で1.0Lダウンサイズターボを搭載する。
10位:パイロット/14万9791台
日本には導入されたことのない3列シートを備えた大型SUVがパイロットだ。北米を中心に世界展開。アキュラMDXの姉妹車だが、より落ち着きあるファミリカーにも向いたスタイルを備える。
米国のホンダSUV販売では、CR-Vに次ぐ人気車で、2019年は約10万台を販売している。3.5LのV6エンジンによる力づよい走りが、アウトドアでも強みとなる。
(※ホンダ広報部データより作成)
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世界と日本では異なるが一目瞭然となったトップ10。地域によりニーズがことなることも伺えるが、国内専売のN-BOXが世界6位に入るなど、日本のホンダが軽自動車に支えられている現状も浮き彫りとなった。
海外では全面刷新されたフィット、日本では新世代アコードがどれだけ支持されるかが、注目といえよう。
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