ライバル・フリードとどう競うべきか
2018年9月11日のマイナーチェンジ時に3列シート7人乗りに加えて、2列シート5人乗り車を追加したわけだが、これはライバルのフリードに対抗させている。
3列シートが主に子供の小さいヤングファミリー向けの仕様に対して、2列シートは3列目のシートを取り払い、広い荷室スペースを確保し、独身の若い層が海や山にレジャーに出かける。
あるいはスポーツ走行を楽しめるように仕立てることで、シリーズ全体が幅広いユーザー層に浸透することを目指している。
したがってこうした考え方は次期型にも引き継がれるに違いない。
フリードは2019年10月18日のマイナーチェンジで内外装のデザインを変更すると同時に、SUVテイストの「クロスター」を設定した。この手法は次期型シエンタでも採用し、設定するかも知れない。
搭載するパワーユニットは1.5リッターNAガソリン、同ハイブリッドで、こちらは従来と異なりヤリスと同様に新開発3気筒1.5リッターガソリン&1.5リッターハイブリッドと2WD、4WD、CVTの組み合わせとなる。
従来モデルではハイブリッドが2WDのみであるが、次期型ではどちらも両駆動方式をラインアップする。走り面ではパワーユニットの他、ハンドリングの操作性、足回りの手直しで一段と磨きをかける。
使い勝手ではシートアレンジメントの多様性、小物入れの配置の工夫などで、大幅に向上させる。安心パッケージの「トヨタセーフティセンス」は新型ヤリス同様に最新の進化デバイスを標準装備する。
両側スライドドアを自動で開閉できる「ハンズフリー機構」もオプション設定する見込み。
シエンタの現状は?
現行モデルは登録車の銘柄別ランキングでトップに浮上したこともある人気の高さを誇る。
2020年7月で5年が経過するモデル末期車ではあるが、今なお月販8000台規模をコンスタントに売り、登録車銘柄別販売ランキングのトップ10の中上位をキープしている。
同じトップ10の圏内にはホンダのフリードも存在し両モデルは激しくシェア争いを演じている。
シエンタは1年後の世代交代でさらに進化させることで、ライバルを大きく引き離すだけでなく、再び登録車のトップブランド奪還を目指すことになりそうである。
■証言:1首都圏トヨタ店営業担当者
「シエンタの次期型についてはまだメーカー筋からいつ発売するのか、明確な情報が届いているわけではない。ただ現行モデル発売後来年(2021年)7月で6年が経過するので、世代交代してもよい時期であることは間違いない。
現時点でも売れ行きは好調だが、トヨタ車全体が「TNGA」、新開発のパワーユニット、トヨタセーフティセンスなどの採用で次世代モデルに切り替えてもよいタイミングだから、フルモデルチェンジは近いといっても差し支えないだろう。
販売が好調といっていつまで古いままでいると切り替えのタイミングを失いあまりよい状況にはならない。」
■証言:2首都圏トヨペット店営業担当者
「モデルが古くなると売れ行きがよいといっても、大幅な値引きで裁かざるを得ないので、販売店の収益が落ちるし、リセールバリューも低下するのでユーザーにとっても好ましいことではない。
6年での世代交代は2回の車検であと1年後という計算のタイミングだから、フルモデルチェンジでの乗り換えやすい。
シエンタクラスになると同じ車種での代替え率が高いので、代替え母体が大きく、商売がしやすく好都合だ。エンジンも新開発になるので中身の改良幅が大きくなるので楽しみにしている。」
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