今夏登場! RAV4 PHVはライバルに勝てるか 狙いと勝算

 昨年のロサンゼルスオートショーで世界初公開された、プラグインハイブリッド車のトヨタ 「RAV4 Prime(PHV)」。

 トヨタは2020年夏にアメリカと日本で発売開始するとアナウンスしており(※欧州地域では2020年後半と追加発表)、6月頃の発売ではないか、と噂されている。

 現在国内で発売されている国産メーカーのPHEVは、プリウスPHV、アウトランダーPHEV、そしてクラリティPHEVと、まだまだその数は少ない。

 しかし昨今は、海外メーカーが続々とPHVを導入し始めており、世界中で売れまくっている「RAV4」とはいえ、その勝利は約束されているものではない。RAV4 PHVはライバルたちを怯ませるに足るのだろうか。

文・表:吉川賢一、写真:トヨタ、三菱

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RAV4 PHEVとはどんなクルマか?

RAV4 Prime(PHV)

 ロサンゼルスショーで発表になったRAV4 Primeの概要を見てみよう。

 ショーモデルのため、エクステリアデザインは変わる可能性もあるが、ロサンゼルスショーで発表になったRAV4 Primeの基本的なデザインは、RAV4を踏襲しており、専用ミドルグリルやロアバンパー、メッシュグリルが装着されている。

 また、19インチ専用アルミホイールには大径タイヤが採用されており、力強さと安定感が表れている。

 インテリアにはヘッドアップディスプレイに加え、9インチの大型ディスプレイオーディオを採用。パドルシフトも設定されるなど、スポーティでプレミアム感のある専用デザインとなる予定だ。

RAV4 Prime(PHV)インパネ

 注目のパワートレインは、RAV4ハイブリッドの2.5Lエンジン&E-Four(電気式4WDシステム)に、新開発のプラグインハイブリッドシステムを組み合わせる。

 システム出力はRAV4ハイブリッドよりも84psも大きい306psにもなり、時速0-60マイル(0-96km/h)加速は5.8秒と、RAV4史上、最速モデルだ。

 またEVでの航続距離は39マイル(約62km)を実現し、燃費性能は90MPGe(※1)を達成。

※1 MPGe・・・1ガロン当たりの走行可能距離。米国EPA試験法に則し、充電した電力で走行したエネルギー消費量をガソリン等価換算している)

パワフルな走行性能と環境性能を両立(走行写真はイメージ画像)

 パワフルな走行性能と環境性能を両立している。なお大容量のリチウムイオン電池は床下に搭載。重心高低下や重量配分を考慮すれば、ベストな配置だ。

 プリウスとプリウスPHVの価格差が約70万円であることから、RAV4 PHVの販売価格は、おおよそ460万円前後となるだろう。

 車両重量も、大型バッテリーなどを含むプリウスとプリウスPHVの車両重量差がおおよそ170kgであることから、1860kg付近となる見込みだ。

ライバルのアウトランダーPHEVに対する魅力は?

 国産メーカーのSUVカテゴリには、アウトランダーPHEVがいる。アウトランダーPHEV は、PHEVの世界累計販売台数ナンバー1(2019年5月時点)と、世界中で認められているPHEVだ。

アウトランダーPHEV

 電気自動車ベースのPHEVシステムを採用し、バッテリー容量が十分なときはEVで走行し、必要に応じてエンジンとジェネレーターがサポートする。

 EV、シリーズ、パラレルの3つの走行モードを効率よく切り替えることで、長距離走行が可能となっている。

 駆動用バッテリーの総電力量は13.8kWh、EV走行距離は65kmと、日常の足としてならば、EVのみで事足りる。

 2019年9月には、オーディオの充実や、スマートフォン連携ナビゲーションの設定も行われ、年々改良が加えられている。車両価格は393万9100円~529万4300円。中央グレードの「G」は431万円ほどだ。

RAV4とアウトランダーの基礎諸元

 先述したように、RAV4 PHVの価格は、おおよそ460万円と、アウトランダーPHEVよりも30万円程度、高くなる見込みだ。

 ハンドリング性能のポテンシャルはRAV4 PHVのほうが高いと思われるが、コストパフォーマンスを考えると、RAV4 PHVの圧勝、とはならない可能性も考えられる。

 しかしながら、海外メーカーの作るPHVと比べると、400万円台のPHVは圧倒的に安く、世界中で、アウトランダーPHEVと並び、コストパフォーマンスに優れたクルマと評価されると予想できる。

RAV4 PHVは超大容量バッテリーのEV量産に、「ちょっとまった!」をかけられるクルマだ!

プリウスPHEV

 以前、プリウスPHVの主査、金子氏のコラムを拝読し、共感したことがある。

 「EVシフトが急激に進む自動車メーカーでは、そもそも航続距離が短いというEVの問題を、バッテリー大容量化という力技でねじ伏せている。

 しかし重たいバッテリーを大量に積んだことで衝突性能を上げなければならず、衝突性能を上げるために車体を補強すれば、更に重くなる。そんなクルマが大量に作られる社会でよいと言えるのだろうか。

 400km走れるEV車1台分の電池で、4台のPHVが作れる。EV車の電池の無駄な大容量化と、航続距離競争を食い止めたい。

 お客さまに68キロ(プリウスPHVのEV走行距離)しか走れないEVでも十分だと気づいてほしい。そうすると地球資源の温存にもよいはずだ」という趣旨のコラムであった。

 最近、高性能なEVについて、「Guilt-free acceleration」(フル加速をしても騒音や排ガスを撒き散らさないので後ろめたさを感じなくてもよいでしょという意味)と言われているのを目にするが、加速が速ければ速いほど、エネルギーは多く必要である。

 加速するための電気エネルギーはどうやって発電されているのか(仮にソーラー発電であったにしろ太陽光パネルにも資源を使う)、そして、そのEVを動かすための超大容量バッテリーを作るのに、どれだけの資源が必要なのか、考えるべきだ。

超大容量バッテリーのEV量産を止められるクルマになるのか? 

 RAV4 PHV でも「パフォーマンス(加速性能)の高さ」がアピールされてはいるが、「速さ」はPHVの本質ではない。

 PHVは、世界的にEV化が加速する中において、速さを捨てきれない自動車メーカーの間違った方向性を正してくれる存在になってくれると期待している。

■まとめ

 RAV4 PHVは、アウトランダーPHEVイーターとして十分なポテンシャルをもったクルマだ。日本のみならず、世界中でこのRAV4 PHVが活躍する日を、楽しみにしている。

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