今夏登場! RAV4 PHVはライバルに勝てるか 狙いと勝算

ライバルのアウトランダーPHEVに対する魅力は?

 国産メーカーのSUVカテゴリには、アウトランダーPHEVがいる。アウトランダーPHEV は、PHEVの世界累計販売台数ナンバー1(2019年5月時点)と、世界中で認められているPHEVだ。

アウトランダーPHEV
アウトランダーPHEV

 電気自動車ベースのPHEVシステムを採用し、バッテリー容量が十分なときはEVで走行し、必要に応じてエンジンとジェネレーターがサポートする。

 EV、シリーズ、パラレルの3つの走行モードを効率よく切り替えることで、長距離走行が可能となっている。

 駆動用バッテリーの総電力量は13.8kWh、EV走行距離は65kmと、日常の足としてならば、EVのみで事足りる。

 2019年9月には、オーディオの充実や、スマートフォン連携ナビゲーションの設定も行われ、年々改良が加えられている。車両価格は393万9100円~529万4300円。中央グレードの「G」は431万円ほどだ。

RAV4とアウトランダーの基礎諸元
RAV4とアウトランダーの基礎諸元

 先述したように、RAV4 PHVの価格は、おおよそ460万円と、アウトランダーPHEVよりも30万円程度、高くなる見込みだ。

 ハンドリング性能のポテンシャルはRAV4 PHVのほうが高いと思われるが、コストパフォーマンスを考えると、RAV4 PHVの圧勝、とはならない可能性も考えられる。

 しかしながら、海外メーカーの作るPHVと比べると、400万円台のPHVは圧倒的に安く、世界中で、アウトランダーPHEVと並び、コストパフォーマンスに優れたクルマと評価されると予想できる。

RAV4 PHVは超大容量バッテリーのEV量産に、「ちょっとまった!」をかけられるクルマだ!

プリウスPHEV
プリウスPHEV

 以前、プリウスPHVの主査、金子氏のコラムを拝読し、共感したことがある。

 「EVシフトが急激に進む自動車メーカーでは、そもそも航続距離が短いというEVの問題を、バッテリー大容量化という力技でねじ伏せている。

 しかし重たいバッテリーを大量に積んだことで衝突性能を上げなければならず、衝突性能を上げるために車体を補強すれば、更に重くなる。そんなクルマが大量に作られる社会でよいと言えるのだろうか。

 400km走れるEV車1台分の電池で、4台のPHVが作れる。EV車の電池の無駄な大容量化と、航続距離競争を食い止めたい。

 お客さまに68キロ(プリウスPHVのEV走行距離)しか走れないEVでも十分だと気づいてほしい。そうすると地球資源の温存にもよいはずだ」という趣旨のコラムであった。

 最近、高性能なEVについて、「Guilt-free acceleration」(フル加速をしても騒音や排ガスを撒き散らさないので後ろめたさを感じなくてもよいでしょという意味)と言われているのを目にするが、加速が速ければ速いほど、エネルギーは多く必要である。

 加速するための電気エネルギーはどうやって発電されているのか(仮にソーラー発電であったにしろ太陽光パネルにも資源を使う)、そして、そのEVを動かすための超大容量バッテリーを作るのに、どれだけの資源が必要なのか、考えるべきだ。

超大容量バッテリーのEV量産を止められるクルマになるのか? 
超大容量バッテリーのEV量産を止められるクルマになるのか? 

 RAV4 PHV でも「パフォーマンス(加速性能)の高さ」がアピールされてはいるが、「速さ」はPHVの本質ではない。

 PHVは、世界的にEV化が加速する中において、速さを捨てきれない自動車メーカーの間違った方向性を正してくれる存在になってくれると期待している。

次ページは : ■まとめ

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