「走る、壊す、直す」を地道に積み重ねることでいいクルマが出来上がる
「走れば走るだけ、何かが壊れました。そのたびにエンジニアとメカニックが原因を探り、対策を立て、また走る。その繰り返しでした」とモリゾウさんは振り返る。
この「壊しては直す」プロセスがあったからこそ、発売直後のスーパー耐久・富士24時間レースでいきなり勝利をつかんだ。モリゾウさんはじめテストドライバーたちが、限界まで追い込み、弱点をあぶり出したことで、発売時にはすでに「勝てるクルマ」に仕上がっていたのだ。
愛知県豊田市の下山テストコースの来客棟にモリゾウさんが運転中に横転し、大きく壊れたGRヤリスが今でも展示されている。クルマづくりとは「走る、壊す、直す」の積み重ねだという象徴として。
GRヤリスの開発を通じて多くのヒトが鍛えられた。そして「もっといいクルマづくり」の思想をお客様にダイレクトに伝えるために「GRコンサルタント」と特に突出したスキルや豊富な知識を持つ「GRスペシャリスト」は生まれた。彼らは「伝道師」として、お客様それぞれにとっての「いいクルマづくり」とは何か? を悩み考え抜くことで日々鍛えられている。
もうひとつモリゾウさんは重要なことを語っている。「いいクルマは『素うどん』が大事なのです」。「素うどん」の性能、つまり、「誰が運転しても安心して走り、曲がり、止まる」という基本性能を徹底的に磨くことだと言う。
ここに、プロドライバーでもテストドライバーでもないモリゾウさんがマスタードライバーを務める大きな意義がある。我々のような一般ドライバーの感覚を大切にしながら「もっといいクルマづくり」を牽引しているのだ。
とがった性能ではなく、誰が乗っても技量に応じて楽しめる懐の深い性能を持つことがGRヤリスの魅力で、さまざまなモータースポーツで活躍している要因でもある。
GRヤリスはニュルでポルシェと並ぶ日本車だ!
2025年6月6年ぶりにニュルブルクリンク24時間レースにGRヤリスDATで参戦し、見事完走した。予定の周回数を大きく超える計15周(約380㎞)を走りきった。「とにかく15周を走りたかった。僕にとってもとんでもないチャレンジだったが、走れて本当にうれしい。GRヤリスDATは乗りやすく、本当にいいクルマだと思いました」と語った。
モリゾウさんが15周にこだわったのはニュルブルクリンク24時間レースの1ドライバーあたりの最低規定周回数だったからだ。
世界一過酷とされるニュルブルクリンク24時間レースで、モリゾウさんに「もっと走りたい」と思わせたところにGRヤリスの真骨頂がある。レース後、厳しい評価で知られる現地の関係者から「市販車と同じ“吊るし”のエンジンで完走できるのはGRヤリスとポルシェだけだ」と称賛されたことを、モリゾウさんは誇らしげに明かしてくれた。
2025年のニュルブルクリンク24時間レース参戦で得た知見を、フィードバックしたのがGRヤリス MORIZO RRだ。専用の足回りや4WD制御、カーボン製リアウイングなどモリゾウさんのこだわりとともに、我々のような普通のドライバーが運転しても違いがわかるエッセンスがぎゅっと詰め込まれているという。
また26式GRヤリスにも装着された新意匠のGRステアリングにも注目で、小径でスイッチに触れることなくステアリング操作ができるという。
26式GRヤリスやGRヤリス MORIZO RRにとどまらず、モリゾウさんというマスタードライバーが鍛え上げるGRヤリスは、これからもたゆむことなく進化を続けていくはずだ。
【画像ギャラリー】公道からラリーの現場、果てはニュルまで!! 世界の名車と肩を並べるGRヤリスがハンパない!!(6枚)画像ギャラリー








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