ライバルに対しての長所、短所は?
仮想ライバルをT-CROSSと設定する。T-CROSSのエンジンは1.0リットル直3ターボ。
最高出力116ps/最大トルク200Nmの出力を発揮し、1270kgのボディを7速DSGで走らせる。駆動方式はFFのみの設定だ。燃料はハイオクで、WLTC総合モード燃費は16.9km/L。
車両価格は「T-Cross TSI 1st」が299万9000円、「T-Cross TSI 1st Plus」が335万9000円だ。この違いは、タイヤサイズ(plusは前後215/45R18インチ)のほか、レーンキープアシストシステム、ハイビームアシストといった装備の有無となる。
エンジンに関してはヤリスクロスオーバーの圧勝だ。ヤリスのハイブリッドエンジンは、36.0km/LというWLTC燃費で環境性能とパフォーマンスの両立レベルが高く、現時点世界一のコンパクトカー向けエンジンだ。
3気筒ガソリンエンジンは、21.6km/L(WLTC燃費)とやや落ちるが、加速性能はハイブリッド並みの強さを持ち、パフォーマンスが素晴らしい。
T-CROSSの1.0L直3ターボも、軽快な回転フィールでコンパクトなボディをグイグイと走らせることはできるが、ヤリス程の実燃費は期待できない。
ただし、ヤリスクロスオーバーはボディサイズを拡大するため、重量が100kg~150kg程度は増える可能性はある。
ヤリスのように、加速が良いままではないかもしれないが、たとえエンジンに手を入れなかったとしても、ヤリスクロスオーバーがT-CROSSよりも燃費に優れるのは、容易に想像できる。
車両価格については、ヤリスクロスオーバーは210万~250万円という予想だ。国内向けのヤリスは、岩手工場で生産されており、ヤリスクロスオーバーも同工場生産だとすると、T-CROSSの価格では相手にならない。
だが、英国でのT-CROSSの価格は17,715ポンド≒約239万円(1ポンド=135円)と、一気に割安に感じるレベル。
フランスにある工場で生産されるヤリスクロスオーバーは日本のような破格とはいかないと思われることから、欧州ではいい勝負となるかも知れない。
カジュアルSUV業界を牛耳ることができるか?
日本国内のユーザーは、クルマをデザインで選ぶ方が多い。欧州地域のように、高速道路を時速150km以上のスピードでも安全に走ることを求められるクルマとは、購買時に重要視するポイントが異なる。
そのため、国内市場では、もっと価格の安いロッキー/ライズや、フィットCROSSTARのような、「なんちゃってクロスオーバーSUV」に流れていくと思われるが、デザイン次第では、ヤリスクロスオーバーの大活躍が見られるかもしれない。
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