トヨタが新たなコロナ支援! ジャパンタクシーベースの移送用車両を提供

トヨタが新たなコロナ支援! ジャパンタクシーベースの移送用車両を提供

軽症者用の移送車両1台を千葉県に提供

 新型コロナウイルス感染症対策に、自動車業界から新たな支援の一手。

 トヨタは4月21日、新型コロナウイルス感染症のうち、軽症者用の移送車を、千葉県に1台提供したと発表した。

移送車両のベースとして採用された「ジャパンタクシー」

 トヨタは4月7日に「安全・安心を最優先に現場で戦っている方々、苦しんでいる方々の気持ちに寄り添いながら、私たちにできることを即断、即決、即実行していく」(豊田章男社長コメント)と、医療現場への支援をいち早く表明。

 そして、同時に「医療現場および医療用品に対する支援」として、

【1】医療用フェイスシールド(防護マスク)生産
【2】トヨタ生産方式(TPS)活用による医療機器メーカーの生産性向上への協力
【3】軽症の感染者移送に対するサポートの検討
【4】サプライチェーンを活用したマスクなど衛生用品の調達支援
【5】医療機関にて活用可能な備品の供給
【6】治療薬開発や感染抑制に向けた研究支援への参画

という、6つの具体的な支援策をあげていた。

 なかでも【3】軽症の感染者移送に対するサポートの検討については、

「軽症の感染者を他の医療機関や待機施設、自宅などに移送する際の運転者の感染を抑えるために、JPN TAXI等を中心に、車室内での飛沫循環を抑制する方法について、検討を開始しています」

としていたが、その具体的な動きとして車両提供が実現した形だ。

提供車両はジャパンタクシーをベースとした「飛沫循環抑制車両」

 今回、提供される車両のベースは、最近街なかでも見かける機会が増えてきた「ジャパンタクシー」。

 その運転席・助手席側スペースと、後部座席以降のスペース間に隔壁を設置。前方を「陽圧」、後方を「陰圧」とすることによって、後方の空気が前方に循環しないようコントロールした「飛沫循環抑制車両」になっているという。

ジャパンタクシーをベースとした移送車両の室内。運転席側と後席の間には透明なスクリーン上の障壁が設置されている

 車両提供についてトヨタは、医療現場でのニーズを聞き、主に軽症の患者を療養施設へ安全に運べる車両、そしてドライバーの感染防止が課題と受け止め、今回の提供に至ったと発表している。

 また、トヨタは「ベストカーWeb」の取材に対して、

「今回のご要望に関しては、医療機関用にJPN TAXI試作車について都内の大学病院・特定機能病院への無償貸与を進めておりました。

 その医療機関のひとつに日本医科大学付属病院があり、関連病院でもある日本医科大学北総病院の救命救急科本村友一先生(千葉県の救急医療体制のアドバイザー)から、感染対策車両について、弊社社員にご相談をいただいのが今回の支援のきっかけです」

と回答。医療現場の切迫した状況もあり、ジャパンタクシーベースの車両が、まず1台、千葉県に導入されることになったという。

 また、この発表に先立ち、トヨタは東京都内の病院などにも同様の車両5台を提供したことを明らかにしたほか、ホンダも4月13日に港区・渋谷区へ同様の車両(ベースはオデッセイ/ステップワゴン等)を提供したことを発表している。

 トヨタ広報部によれば、「千葉県を含め、複数の自治体から車両提供のご要望をいただいており、関係者と調整が付き次第、車両の準備を整え、順次自治体へのご要望にお応えしている状況であります」とのことで、今後もさまざまなニーズに柔軟に対応しながら、順次車両を提供していく見込み。

 人々の生活を支えるクルマと同じように、自動車業界からの支援は、人々の役に立つ、具体的な形となり始めている。 

【画像ギャラリー】新しい日本の「顔」に! 新型タクシー専用車 ジャパンタクシーの詳細

写真:TOYOTA

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