突然肝を冷やすことたびたび トンネルの内外で発生する不思議な現象

前走車が消える!?

 先ほどはトンネルに入る時の話でしたが、次はトンネルの出口付近での話です。

 対向車のヘッドライトに歩行者が隠れてしまう「蒸発現象」というものがありますが、これと同じ現象がトンネルの出口で発生することがあります。

 トンネル内とトンネル外は明暗差がかなりあります。このため、先行するクルマのボディ色が明るい場合、出口から出たとたんに明るさのなかに紛れてしまい、見えなくなることがあります。

トンネルの出口付近がよく晴れていれば一気に光が差し込んでくる。この状態では淡色系ボディカラーのクルマが消えても不思議ではないことを認識しておいてほしい(FRANK-stock.adobe.com)

 よく、トンネルの出口手前でヘッドライトをオフにする人がいます。そのほうがカッコイイと思っているような発言を聞いたこともありますが、ヘッドライトはトンネルをしっかり出てから消すことで、自車の存在をアピールできます。

 トンネルの入り口、そして出口ではこうした現象が起きやすいのは昼間です。夜はトンネルの外も暗いのでそうした現象が起きることは減ります。

 著しい明暗差がある昼間に、前述の状況が起きやすくなります。そうした状況を減らすためにトンネルの照明にも工夫がされています。トンネルの照明は入り口と出口は個数が多く、そして中間地点は速度がわかりやすいように照明を等間隔に配置します。

横のクルマに突然幅寄せされる!?

 さて、トンネル内では横を走るクルマとの間隔が狭くなり、まるで幅寄せされているかのような感覚に陥ることがあります。相手車両が幅寄せをしているわけではないのですが、自然と自分側に寄ってくることはあります。

 また、自分も相手に寄っていくことがあります。トンネルの両側は壁になっていて、圧迫感があるためにどうしても中央車線よりになってしまうのです。

トンネルの壁の閉塞感、圧迫感によって知らず知らずのうちにそれを避けるように走行してしまう。2車線ではお互いが接近するわけだから幅寄せされた気になる(kalafoto-stock.adobe.com)

 危険なのは近寄ってきたクルマが気になってそのクルマを見続けてしまうことです。人間は見た方に動く特性を持っています。人混みで対面した人と同じ方向によけてしまうのはこのためです。

 ですので、近寄ったクルマを見てしまうとそちらへと引き寄せられるようにクルマを動かしてしまうのです。これはなにもトンネルの中だけで起きるものではなく、普段も発生します。

 珍しいクルマだな、と思ってもそのクルマをずっと見ていてはいけないということです。

前のクルマが止まっているように見える!?

 トンネルの中は景色に変化がないうえにカーブがあったとしてもゆるいものなので、非常に単調なものとなります。そのため、先行するクルマに追従して走っていると、まるでクルマが止まっているような感覚に襲われることがあります。

 この状態を「追従静止視界」と呼びます。特に高速道路など速度が変化しづらく、単調なほどこの「追従静止視界」は発生します。

トンネルを走行する時には速度感覚をはじめ各種感覚が狂うため、車間を一定に保ってくれるACCは心強いアイテム

 2台のクルマの相対速度はゼロとなるので、止まっているように見えても不思議ではないのですが、対地速度としてはそれなりに速いため、運動エネルギーは大きく、事故などが発生した際の被害も大きくなります。

 先行車との車間距離を一定に保つことに気を取られて速度がどんどん上がってしまうこともあるとのことです。ACCの場合も同様ですが、ACCは安全な車間距離を保つように働くのでその面では安心です。

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