新型ハリアーから消え今や風前の灯 動物エンブレムの日本車5選

トヨタMR2(初代モデル:AW11)

乗用車として日本初のリアミドシップレイアウトを採用して1984年にデビューしたMR2。中古マーケットで今も根強い人気を誇る

 1984年に登場したトヨタMR2の初代モデルは、当時のカローラなどのエンジン横置きとなる小型FF車のパワートレーンをそのままキャビン後方に移動した日本初の量産ミッドシップカーである。

 登場時は1.5Lの実用エンジンと1.6Lのスポーツエンジンでスタートし、途中1.6Lスーパーチャージャーを追加するなどしながら年々スポーツ性を高めていった。

 初代MR2のエンブレムは鋭い爪とくちばしを持ち、哺乳類などに襲いかかる鳥である猛禽類をモチーフにしたもので、なるほどシャープなハンドリングが最大の特徴だった初代MR2にはよく似合っていた。

初代MR2のエンブレムは猛禽類をモチーフとしていて、高価な七宝焼きとなっていた。2代目ではトヨタマークに変更されてしまった

 なおこのエンブレムは初代MR2がそれほど高くないクルマなのに関わらず、コストの掛かる七宝焼きだった。

 初代MR2の猛禽類のエンブレムは1989年にMR2が2代目モデルになった際に現在も使われるトヨタのマークに変わった。

 これは2代目MR2が登場したときがちょうどあのトヨタのマークが使われ始めた時期だったのもあり(1号車は初代セルシオ)、選択の余地もなかったのだろう。

 MR2の後継車であるMR-Sでは、鷹をモチーフとした個別エンブレムが復活したものの、単発で終わってしまった。

MR2の後継のMR-Sのエンブレム。登場時はカマキリと間違える人もいたが、Rを鷹に見立てたすばらしいデザインだ

日産レパード

 初代レパードはラグジュアリーな4ドアハードトップと2ドアハードトップとして1980年に登場。

 しかし4ドアも持つ点など翌年登場した前述の初代ソアラに対し中途半端さや見劣りするところが多々あったのもあり、日産のイメージリーダー的なモデルにならなければならないクルマに関わらず、地味な印象が拭えなかった。

1980年に日産は高級パーソナルセダン&クーペのレパードをデビューさせた。しかし後発のトヨタソアラに駆逐されてしまった

 1986年登場の2代目レパードも全体的に2代目ソアラに及ばず完敗だったが、刑事ドラマ「危ない刑事」の劇中車として使われた影響で存在感が高まり、現在2代目レパードの中古車は高値安定となっている。

 初代と2代目レパードのエンブレムは盾のような逆三角形の中に車名であるレパード(豹)が入ったものだった。

 しかしレパードは3代目モデルで実に優雅な雰囲気を持つ4ドアセダンのレパードJフェリーとなったのもあり、豹のエンブレムは使われなくなった。

 だが「セドリック&グロリアのエンブレム違い」と言われても仕方ないくらいキャラクターのない4ドアハードトップとなった4代目レパードでは、初代と2代目レパードとはさらに離れたクルマとなったにも関わらず豹のエンブレムだけは復活。

ロータリーを彷彿とさせる盾型のエンブレムに車名の由来でもある豹が描かれていた。3代目で消滅したが、4代目で豹のエンブレムが復活

 エンブレム以前に魅力に欠けた4代目レパードはベースとなったY33型セドリック&グロリアがY34型にフルモデルチェンジされたあと、後継車なく姿を消した。

 レパードというのはポリシーが定まらないゴーン体制以前の日産の象徴のようなクルマだった。

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