2020年4月に次期モデルが発表され、6月に発売が予定されているゴージャスなミドルSUVであるトヨタハリアーは実車を見る前の段階では盤石に近い印象のモデルだ。
しかしひとつだけファンにとって残念なところがあるとすれば、歴代ハリアーのアイデンティティだった鷹の一種となるチュウヒをモチーフにしたフロントマスクのエンブレムがトヨタマークに変わったことかもしれない。
これは日本専用車だった現行ハリアーに対し、次期ハリアーはレクサスRXの日本向けだった時代と同様に海外でも販売されそうなことも関係しているようだ。
現在車種オリジナルのエンブレム自体が減っているなか、動物をモチーフとした個別エンブレムはもはや風前の灯状態にある。
過去の日本車にはハリアーのように動物のエンブレムを使いながら、フルモデルチェンジなどで使わなくなったモデルというのもあり、当記事ではそんなモデルを振り返る。
文:永田恵一/写真:TOYOTA、NISSAN、ISUZU、SUZUKI
【画像ギャラリー】動物をモチーフとした個別エンブレムは絶滅危惧種!! 現行モデルでは何が残っている?
トヨタソアラ
ソアラは1970年代のオイルショックや排ガス規制などにより、日本車がスポーツモデルでもパワーを失うなどした悪夢のような時代から立ち直り始めた1981年に初代モデルが登場した。
初代ソアラは2.8L、DOHCエンジンやデジタルメーターの採用に加え気品あるスタイル、豪華なインテリアなどを持ち、当時のクルマに対する夢のようなものが詰まった、見方によっては実にクルマらしいクルマだった。
ソアラはキープコンセプトの2代目、レクサスブランドでアメリカにも輸出されるようになった3代目、メタルトップのオープンの4代目と歴史を重ね、歴代エンブレムに使っていたのは鷲の翼を含む上半身とライオンの下半身を持つ伝説上の生物であるグリフォンだった。
しかし2005年に日本でもレクサスブランドが開業し、モデルサイクル中盤だったソアラもそれに伴い車名も輸出名と同じレクサスSCになったためエンブレムもレクサスのマークとなり、グリフォンのエンブレムも姿を消した。
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