新型ハリアーから消え今や風前の灯 動物エンブレムの日本車5選

日産グロリア

 グロリアはもともと戦時中の立川飛行機を起源とするプリンス自動車の高級車として初代モデルが1959年に登場。

「縦目」と呼ばれた1967年登場の3代目モデルまではプリンス自動車開発のモデルだった。

グロリアはプリンスの高級セダンとして1959年に初代モデルがデビュー。写真の3代目で日産グロリアとなったが、このモデルまでプリンスが開発

 しかし1971年登場の4代目モデル以降は1966年に決まった日産とプリンス自動車の合併のため、日産で同車格のセドリックとバッジ違いとなる兄弟車に統合された。

 グロリアのエンブレムは「縦長の四角形に十字」というセドリックのエンブレムをそのまま横にしたものと思われがちだが、実は十字の上の部分を見ると「なるほど」と感じる鶴をイメージしたものだ。

 初代グロリアが登場した1959年は上皇明仁様と上皇后美智子様が成婚された年だったことも考えると、後の1967年に御料車プリンスロイヤルを手掛ける実にプリンス自動車らしいセンスあるエンブレムだった。

 グロリアはゴーン体制となった直後の1999年に登場した11代目モデルを最後にセドリックともに2004年にフーガを後継車に絶版となり、縁起のいい鶴のエンブレムも姿を消した。

十字をモチーフとしたエンブレムのように見えるが、左を向いた鶴が羽を広げている様子をエンブレム化している

いすゞ117クーペ

 1968年登場の117クーペは前年登場の乗用車のフローリアンをベースに、当時イタリアのカロッツェリアギアに在籍していたジョルジェット・ジウジアーロ氏が担当した内外装だけでなくコンセプトも反映しながら開発したフル4シーターの2ドアクーペである。

 ベースがフローリアンということで、「スタイリッシュだけど走りは平凡」というのは否めなかったが、そのぶん「大人のクルマ」というキャラクターが強まったのも事実だった。

1968年にデビューしたいすゞ117クーペはジウジアーロデザインを忠実に再現するため、1972年までハンドメイドの少量生産車だった

 また当時の工場の生産技術ではスタイリッシュな117クーペのボディを生産することはできず、初期モデルは手作業での生産だった。

 117クーペのエンブレムは日本と中国に伝わる神獣である唐獅子だったが、これはジウジアーロ氏がいすゞのクルマということもあり「東洋を象徴する何かを」ということで選んだものといわれている。

 117クーペは1973年の中期モデルから量産ラインで生産されるようになるなどの変革を経ながら1981年まで13年間に渡って生産され、117クーペ同様にジウジアーロ氏が手掛けたピアッツァに役割をバトンタッチした。

117クーペのエンブレムは唐獅子がモチーフとなっている。イタリア人のジウジアーロが東洋的なものの象徴として採用したという

【画像ギャラリー】動物をモチーフとした個別エンブレムは絶滅危惧種!! 現行モデルでは何が残っている?

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