日産GT-R NISMO、メルセデスベンツAMG GT、BMW M6などに対抗すべく、トヨタ/レクサスが威信をかけて開発中のスーパースポーツ情報をキャッチ。
「国内で最強のライバルがいるのであれば、当然超えなくてはならない」という開発陣の思いとは? 詳細をお伝えします。
文:ベストカー編集部
ベストカー2017年7月26日号
■トータルではGT-Rが二歩も三歩もリード
世界のモンスター級スポーツクーペを見渡すと、V型8気筒4~5L級の過給エンジンを搭載するモデルが主流派となっている。
例えばメルセデスベンツAMG GT は3982㏄のV8ツインターボで最高出力510㎰、最大トルク66.3㎏mを発揮している。
またBMWのM5/M6に搭載される4394㏄、V8ツインターボは最高出力560㎰、最大トルク69.3㎏mとなる。
ジャガーFタイプの最強バージョン「R」には4999㏄のV8スーパーチャージャーが搭載され、最高出力550㎰、最大トルク69.3㎏mでライバルの猛追を蹴散らす。
これに真っ向対決できる日本車はというと、日産GT-Rが圧倒的な存在感で君臨する。
2007年のデビュー以来、年々改良の手を休めることなく進化を続け、最新の「MY17」では最高出力570㎰、最大トルク65.0㎏mにまでパフォーマンスアップしている。
さらに燃料システムなどを強化したNISMOモデルでは最高出力600㎰、最大トルク66.5㎏mまでパフォーマンスが引き上げられており、欧州のモンスタースポーツたちに1歩も引けを取らないばかりか、むしろトータルパフォーマンス的にはGT-Rが二歩も三歩もリードする。
しかしGT-RはGTカーというよりもレーシングマシンのような存在。対峙するのはベンツAMG GTやBMW M5/M6などではなく、ポルシェ911ターボやカレラGT3であり、「最強」ではあるが、それは決してラグジュアリースポーツではないのだ。
ここに一石を投じようとしているのがトヨタ……というかレクサスだ。

■レクサスに根づいた「F」の冠をLCにも
今年3月、フラッグシップ2ドアスポーツクーペ「LC」を投入したレクサスだが、さらにトップモデルとして「LC F」の開発が進行中だ。
現状LCには前述の5L、V8 NAエンジンと、3.5L、V6ハイブリッドの2タイプのパワートレーンが用意されている。
GSやRCなど他のレクサスモデルでは「F」モデルに搭載される5L、V8が標準仕様に搭載されるLCでは、モアパフォーマンスのために新たな過給エンジンが開発されているのだ。
排気量は4L。いわゆるダウンサイズターボではなく、パフォーマンス重視の直噴ツインターボとなり、最高出力は600㎰を目標に開発されているという。
AMG GTは510㎰、ジャガーの5Lスーパーチャージャーでも550㎰なので、600㎰なくとも「最強」の称号は得られるが、やはりGT-R NISMOのスペックは大いに意識しているという。
国内に最強のライバルがいるのであれがいるのであれば、当然超えなくてはならないというのが開発陣の思いなのだ。
GT-RのV6よりもひと回り大きいV8を選ぶことでパフォーマンスだけではなく、上質なフィールも両立する狙い。
もちろん「出力」だけではなくトルクも重視。最大トルクは世界基準の68.5㎏m前後で、70㎏mの大台の可能性もあり得る。
このエンジンを搭載するLC Fは2019年に登場の計画。さらに次期型GS Fにもこのエンジンが搭載される計画もあるという。
(レクサスGS Fに関しての詳細情報は、今後も調査を続けていきたい)
