ブーム到来で売れ筋サイズに新規参入相次ぐ いまなぜミニカーなのか?

 なんでも今、ミニカーブームらしい。その中心は1/60サイズのいわゆる「トミカサイズ」だ。

 例えば世界で1番売れているホットウィール社の1/60ダイキャストモデルは「1秒に10台売れている」から「1秒に16台売れている」にキャッチコピーを変えた。

 特に日本で売れており、売り上げは2012年から現在5倍に伸びたらしい。タカラトミーはトミカの売り上げを公表していないが、2019年は過去最高の売り上げを記録。その際「トミカなどが牽引役となって」と言及している。

 そんな最近のミニカーブームを加藤久美子氏が解説する。

【画像ギャラリー】『ワイルド・スピード』モデルやデロリアンも!!! 空前ブームのミニカーたちをギャラリーでチェック!!!

※本稿は2020年5月のものです
文・撮影:加藤久美子/写真:タカラトミー、MINI GT、ホットウィール
初出:『ベストカー』 2020年6月26日号


■流行の主役はトミカサイズ 1/60サイズ ミニカー売り場に大人が群がる!

 1970年代後半のスーパーカーブームから魅力的な国産スポーツカーが数多く登場した1980~1990年代に免許を取った40代後半~60代半ばくらいのオジサン世代が昨今のミニカーブームを支えている。

 世界的なJDM(Japanese domestic market 日本市場のこと)人気もあって1980~1990年代の日本車がホットウィールやMINI GT、マジョレットなど海外ブランドにてミニカー化されていることも大きな要因だ。

 2015年より「大人のトミカ」として登場した新シリーズ「トミカプレミアム」の存在も大きい。

 スカイラインGT-R(32/33/34)、S13シルビア、80スープラ、F40、カウンタック、テスタロッサなどオジサン世代を虜にする往年の名車が続々とトミカ化されている。

 通常のトミカより少し高い880円(税込)だが専用の金型を用い、可能なかぎりのリアリティを追求した造りとなっているのも人気の理由だ。

トイザらス開店前の様子。ミニカーの新製品が目当ての行列だが、並んでいるのはほとんど大人だ

■当然のようにプレミアがついたミニカーも。お値段は?

 初心者からコレクターまで多くのファンを持つ『ミニカーショップルット』店長の五島昭仁さんに、2012年以降に発売されてプレミアがついたミニカーを聞いてみた。

「価格高騰のキーワードは抽選品、販促品、廃盤品です。今、ホットなのはタカラトミーのバーコードキャンペーン品で『AMG SLSマットブラック』(3万円前後)、『R35 GT-R 50thアニバーサリー』(4万円前後。銀座ショールームや東名高速SAでのスタンプラリーなどで配布)、廃盤品は『トミカ プレミアム 13 R33GT-R』(定価880円のところ5000~6000円)です」

 なかにはネットオークションで50万~100万円で落札される激レアトミカもある。

定価の数倍のプレミアがつくとは、やはり財力のある大人ならではのエピソード

■適正価格で買いたい! ミニカー争奪戦のルール

 トミカは公式サイトで予約もできるし、お店側で「初回特別仕様はひとり1個」などのルールが決まっていることが多いが、ホットウィールに関しては個々の店舗で購入ルールを設けている場合もある。

 超人気シリーズの発売日にトイザらスに行った時のこと。通常のHWの売り場ではなく別の場所に小箱がいくつか並んでいたので(写真)、真ん中くらいに置いてあった小箱の中を探っていたところ、横にいたオジサンから「順番を守ってください」と注意を受けた。

 意味が分からず近くにいた店の人に「買い方のルールがあるんですか?」と聞いたら、「はい。左端の箱から順番に箱を見てすべてを確認してから買うものを選んでレジに持ってきてください」と。

 そんな複雑な買い方があったとは! 何も書いてないし(笑)。

すべての製品を順番に確認 → その後欲しいものを選ぶ。確かに複雑だ

 ちなみに、トイザらス&HWではよくある話らしく、友人のコレクターは「常連さんがルールを決めている店もある。初めて行く時は開店前の列に並ぶ常連っぽい人にその店での買い方を聞いている」とのことだった。

 なお混雑時『180分待ち』なんてこともあるモーターショーやオートサロンの限定トミカの購入は、1度並んで買った人が再び列の最後につこうとするとトミカのスタッフに注意されることがある(実際に目撃した)。

 服を変えたり、眼鏡をはずしたり、別の袋を持ったりして「別人」を装って買っているコレクターも少なくない!

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 いかがだっただろうか。昔好きだったクルマのミニカー、コレを機にコレクションしてみてはいかが?


【番外インタビュー】ブームをどう思う? マテルインターナショナルインタビュー

 世界で1番売れているホットウィール社のミニカーの輸入元であるマテル・インターナショナル株式会社(Mattel Inc.の日本法人)を訪問。ナショナル・セールスマネージャー猪股匡博氏に人気の理由を聞いてみた。

マテルインターナショナルはホットウィールのほか、きかんしゃトーマスやウノなども取り扱う

「ホットウィールでモデル化される車種が、日本のミニカーやクルマ好きの方々に馴染みのあるものが増えてきたことが最大の要因だと思います。米国やアジアを中心にJDM人気の波が来ていることも背景にあります。

日本ではやはり1970~1980年代の名車をモデル化した『ジャパンヒストリックス』や『Fast&Furious』(ワイルド・スピード)のシリーズが人気ですね。コンビニや家電量販店などで取り扱うようになり入手し易くなったことも人気拡大の理由だと思います。

アビーロード50周年を記念し、ビートルズをモチーフとしたホットウィールだからこそ実現できるコラボシリーズなども大変な人気を博しました。クルマやミニカーに興味がない人にも喜んでいただきました」

映画のほか、ゲームのキャラクターなどとコラボしたミニカーも多数あり、ファンを増やしている

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 ターゲットが大人にも拡大していることがよくわかるインタビューだった。

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