時代は変化しても変わらぬ価値観、それが速さだ。……といいたいところだが、実情はキビしい。
日々厳しくなるのを痛感せざるを得ない騒音規制 環境規制…。「パワフルさ」に酔いしれることができるのはあと僅かなのかもしれない。
それでも人が速さに憧れるのは、人間それのみでは到底なしえないパワーと、そして全能感とがその手の中にあることを実感させてくれるからではないだろうか。
今と昔、感動するほどパワフルな衝撃を与えてくれたクルマたちを10台選ぶとこうなった!
【画像ギャラリー】GT-R インテ ランエボ インプ… 途方もない力を宿した名車たちをギャラリーでチェック!!!
※本稿は2020年5月のものです
選出・本文:国沢光宏/写真:ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』 2020年6月26日号
■やはり速さはクルマの華。感動のスピードスターたちが揃う!
素直に「凄いな!」と思ったのは迷うことなくGT-Rであります。
デビューした当時、アウトバーンで試乗した時は、たまたま交通量まったくない好条件に恵まれたこともあり、メーター読みで309km/h!
ポルシェなどで何度かアウトバーンで全開してきたけれど、300km/h超えは初めてでしたね。
NSXも速い!
鈴鹿サーキットを全開走行したのだけれど、立ち上がりのレスポンスなどエンジンだけで走っているクルマとすいぶん違う。
この延長でクルマ作りをしていくと、もっともっとレスポンスを上げていけるのかもしれません。新しい時代の速さと言っていい。
ちなみに初代NSXも、NAエンジンなのに速かったっす!
武闘派その1としてランエボを挙げておく。なかでも第2世代の最終エボVIにトドメを刺す!
第3世代もバランスいいため速かったものの、第2世代の素晴らしさは車重! エボVIのRSは1260kgしかなかった。ノーマルのエボVIとエボIXを比べたら勝負にならないほど速い。
ラリーで最も光ったのも第2世代でございます。
参考までに書いておくと、第3世代のエボVII RSは1320kg。第4世代のエボXが1420kgです。
武闘派その2がインプレッサWRX。これも3世代に渡っているものの、ランエボの第2世代とガチで競った2代目でしょう!
絶対的なスペックでは軽量コンパクトなボディの初代が上回っているけれど、なぜかパワフルだと感じたことなかった。私が最も「楽しい~!」と思ったのは「鷹目」と呼ばれる2代目の最終モデル。S204ときたら、怖いモンなしでしたね!
最初に初代セルシオのハンドルを握ったのは、完成したばかりの士別テストコース高速周回路だった。
本来ならラグジュアリーな走りを追求したセルシオだったけれど、最初に感じたのは「なんてパワフルなんだ!」。当時、スカイラインGT-RもNSXもフェアレディZもなし。
なのにラグジュアリーセダンが静粛性をキープしたままメーター読み260km/hを出したのだから仰天です。
素直に「これは速い!」と感動したのが初代インテグラタイプRだった! ニュルを意識した鷹栖のハンドリングコースに入りアクセル全開にすると、もうアドレナリン出まくる!
なんたってフィットと同等の1060kgというボディに200psエンジンを搭載。パワーウェイトレシオ5.3kg/psなんだから速くて当然か。未だに鷹栖で乗ったクルマじゃベスト1です。
ここから番外編。客観的に考えたら絶対的な速さはタイしたことないのだけれど初代アルトワークスのハンドル握った時は、速さに驚きましたね!
軽自動車ということを考えなくても速い! 当時、箱根ターンパイクの登り坂はどんなクルマで走ってもキツく感じた。
なのにアルトワークスときたらグイグイ加速しながら登ってしまう。車体バランスだって素晴らしかったですね!
番外編その2が日本初のターボ車である4代目430セドリック。1979年当時、最も速い日本車は初代サバンナRX-7だった。
今になって思えば現行ロードスターと同じくらいの動力性能ですね。そんななか、突如出てきたのがL20エンジンにターボ付けたセドリック!
ブーストかかった時のトルク感ときたら、トルク薄い12Aロータリーなんか相手にしないほど。同じエンジンを積むスカイラインも速かった!
新しい世代ではリーフe+が筆頭でしょう! 電気自動車の凄さは「休め!」の状態からでもアクセル踏めばフルに性能出ること。
高性能タイヤ履かせて首都高とか走っていると「こら最強だね!」(深くは説明しない)とニンマリする。
なんせ足を固めてタイヤ変えるだけで筑波サーキットを1分10秒台で走っちゃいますから。クルマはまだまだ楽しくなりますよ!
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