今や軽自動車はスーパーハイトワゴン一色と言っていいほど売れている。それをけん引しているのは、ホンダN-BOXにほならない。
そのいっぽうで、かつて一世を風靡したワゴンR、ムーヴに代表されるハイトワゴン軽自動車は販売面で苦戦が続いている。
そんななか、ムーヴの派生車として登場したムーヴキャンバスが独自のポジションを確立して、本家ムーヴの販売を凌駕する人気となっている。決して目立ちはしない、行ってみれば影の実力車といったところだ。
ムーヴの派生車はこれまでかわいい路線できたが、それとは一線を画すムーヴキャンバスが人気の理由について、渡辺陽一郎氏が考察する。
文:渡辺陽一郎/写真:DAIHATSU、SUZUKI
【画像ギャラリー】パステル調からシックなカラーまで15色をラインナップ!! ムーヴキャンバスはボディカラーによってイメージが激変!!
タントの苦戦でダイハツとスズキが熾烈なトップ争い
軽自動車の販売ナンバーワンメーカーはダイハツだ。以前は1973年以来、スズキが1位だったが、2007年(暦年)にダイハツがトップに立った。この時から、2014年以外は、ダイハツが軽自動車販売の首位を守り続けている。
ところが今年はどうなるかわからない。2020年1~6月の軽自動車販売累計台数を見ると、ダイハツが24万1237台、スズキは24万992台だ。ダイハツが1位だが、スズキとの差は245台だから、ほぼ同じ販売実績になる。
ちなみに2019年1~6月の台数は、ダイハツが1万5448台多かった。それ以前は2万台の差を付けていたこともある。
今年はコロナ禍の影響も受けたから、この販売実績が本来の商品力や販売力を反映した結果とは限らないが、接戦であることに変わりはない。
ダイハツとスズキが僅差になった一番の理由は、ダイハツタントの伸び悩みだ。2019年7月に現行型へフルモデルチェンジされたので、それ以降は売れ行きを急増させると思われた。
しかし2019年10月以降の売れ行きは、11月を除くと、対前年比が横這いだったり、減少している。
その結果、通常はフルモデルチェンジの直前に用意するような格安の特別仕様車をコロナ禍の前に設定した。稼ぎ頭が挫折したダイハツの困窮ぶりがうかがえる。
コメント
コメントの使い方