ポロはBセグメントの世界最量販車種
ポロはもともと南欧や開発途上国など、よりコンパクトで低価格な実用車を求める層に主眼を置いて開発されたクルマであり、その本質はいまでも変わっていない。
グローバルではやはりCセグのゴルフが圧倒的に多いが、実は近年のSUV人気の影響で、より安価なゴルフやポロをしのいでティグアンがVWの最量販車種となっていることには少々驚かされる。
そのいっぽうでポロはポロでダントツのBセグにおける世界最量販であり続けていることには違いない。
それはフィット(ジャズ)やヤリスら日本勢にとってもはるかに及ばない域で、その大きな要因が、ほかでもない走りのよさに定評があるからだという。
むろんフィットやヤリスもポロの牙城に迫るべく努力しているが、幅広い販売網や浸透した知名度を含めポロがこれまでに築き上げてきた地位はそう簡単には崩せそうにない。
長年輸入車の新車登録台数の上位に食い込む
ところで、ゴルフもポロも時間の経過とともにそれぞれ進化をとげてきたなかで、ともに徐々にボディサイズが拡大し、とりわけCセグ車の中でもその急先鋒となって日本の5ナンバー枠から外れた4代目ゴルフは、当時としてはかなり「大きくなった」というインパクトを与えた。
それが当時、5ナンバーにこだわる日本人にとってポロに目を向けることを加速させた面もある。そしてポロはゴルフの弟分としての期待にしっかり応えられたことが、現在の高い評価につながっている。
直近の2019年度(2019年4月~2020年3月)における純輸入車のモデル別新車登録台数ランキングでは6位につけた。
1位 BMW MINI/2万2255台
2位 VWゴルフ/1万8416台
3位 メルセデス・ベンツ Cクラス/1万3438台
4位 メルセデス・ベンツ Aクラス/1万2946台
5位 BMW 3シリーズ/1万720台
6位 VWポロ/9550台
7位 ボルボ40シリーズ/8485台
8位 ボルボ60シリーズ/7841台
9位 アウディA3/6233台
10位 メルセデス・ベンツBクラス/6109台
上位常連のMINIは全モデルを含めた数字なのでいささか正確性に欠けるのだが、傾向はご理解いただけよう。
それ以前のポロの登録台数と順位は必ず首位か2位というゴルフほどではないにせよ、ポロも常にトップ10の上位に名を連ねているのは見てのとおりだ。
現行ポロは新世代プラットフォームの採用で大きく進化
現行ポロが日本に導入されてからこれまでのグレードごとの販売比率は、特別仕様車「Comfortline limited」を含む「Comfortline」が過半数で、次いで「Highline」が3割強、「GTI」と「R-Line」を合計して約1割、残りが「Trendline」となっている。
直近だけ見ると同特別仕様車の効果で「Comfortline」が4分の3程度まで増加しているという。このあたりにもポロのキャラクターがよく表れているように思える。
それにしてもモデル末期のゴルフがこれほど売れているのはさすがというほかないが、やはり代を重ねてここまで大きくなったゴルフをあまり快く思わず、ポロに流れた人も少なくないはずだ。
かたやポロは、そんなダウンサイザーが不満を覚えないよう、これまでも装備や質感を高める努力をしてきたが、「MQB」(VWグループの新世代プラットフォームの呼称)の採用により走行性能や乗り心地がジャンプアップしたのは間違いない。
コメント
コメントの使い方フィットみたいに「迷ったらフィット」という選び方をするユーザーが多い車があってもいいんじゃないの?