どこまで大きくなる? 車載モニターの大画面化はどこまでいくのか?


クルマに求められる液晶パネルの性能とは

 これまでデジタル表示を行うためのパネルに関しては液晶がメインだったが、車両用として使う場合、(1)耐環境性、(2)ディスプレイの照度、(3)応答速度、(4)視野角などの問題をクリアしなければならなかった。

 例えば照度の問題にしても単純な明るさだけでなく、液晶パネルの特性として低温時から始動した際、数分間は輝度が低いケースも発生していた。

 メーター類にしても実際の速度変化に対し、レスポンスが悪く表示が遅れるなどは論外なのである。

現在注目されている『つながるサービス』のコネクテッド技術をフルに活用するためには、高性能のモニターが必須となる(写真はトヨタヤリス)

 これを解消するためにサプライヤーは技術を磨き、現在の高いレベルに達しているが、大型化するということは電子部品に必ず発生する「歩留まり率」の問題にぶち当たる。

 これはクルマに限ったことではなく、昨今の大画面TVなどでも同様で、液晶などの場合はいわゆる「ドット落ち」をどこまで許容するのかによっても歩留まり率は大きく変化する。

 ちなみにすべてではないが、車載用に使われている液晶パネルは12.3インチがなぜか多い。

 これはクルマという限られたスペースに適したサイズということもあるが、歩留まり率が低く、サイズを限定することで価格を下げるサプライヤー側の戦略のひとつ、とも言われている。

 また意外とやっかいなのがインパネという限られたスペースに対し、自動車メーカーのインテリアデザイナーと電装系技術者の「陣取り合戦」だという話をよく聞く。

プリウスPHVは11.6インチの縦型モニターを採用することでインパネ周りのデザインが大きく制約されるなか、エアコン吹き出し口のデザインなども工夫している

 インパネ周辺には空調の吹き出し口もあるので効率よく室内に送風するためにも実は大画面ディスプレイは目の上のたんこぶになるケースもあるという。

 テスラのような割り切りはそのクルマのデザインコンセプトを具現化するためにもあまりやりたくはない、という話にも真実味を感じる。

大画面化のトレンドは止まらない

メーターパネル、モニターの進化に大きな影響を及ぼすと予想されているのがヘッドアップディスプレイ。今のクルマは情報を映し出す場所が非常に重要になる

 それでも技術の進化は止まらない。

 ここまで語ってきた問題に関しても、従来のTFT液晶から今後は高画質かつ応答性にも優れるAM-OLED(アクティブマトリクス式有機EL)にシフトしていくだろうし、HUD(ヘッドアップディスプレイ)も含めたデバイスなどとの連携により、より多くの情報を表示できるはずだ。

 現在の大画面ディスプレイは高級車がメインとなっているが、いずれはコンパクトクラスまで波及してくることは間違いないだろう。

軽自動車もモニターの大型化は進行中で、日産デイズが軽自動車初の9インチモニターをディーラーオプションとして設定して先陣を切った。今後さらにエスカレートするはず

【画像ギャラリー】デザイン激変&モニターが大型化しているのがよくわかる国産車厳選10台のインパネ写真を総チェック!!

最新号

ベストカー最新号

【2022年夏登場か!?】新型カローラスポーツGRを独占スクープ!!|ベストカー5月26日号

水野和敏が斬る!!「ボルボXC40リチャージ&三菱エクリプスクロスPHEV」  大人気連載の『水野和敏が斬る!!』はボルボXC40リチャージと三菱エクリプスクロスPHEVの2台を試乗&チェックしています。  この2台に共通するのは、プラグイ…

カタログ