日産が送り出したコンパクトSUV「キックス」だが、その納期に関して気になる情報が入ってきた。ボディカラーによっては、なんと納期が2021年度(4月以降)になるかもしれない…という人がいるというのだ。
SNSでは、6月登場時に契約した人は9月、それ以降の7月に契約した人は、納期がすでに2021年1月になっている声も聞こえる。
日本の割り当て台数が少ないのか? それともタイでの生産が追い付かないのか? 受注好調のキックスに何が起きているのか? その最新情報を販売現場を取材しお伝えする。
文/遠藤徹
写真/NISSAN
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■コロナ禍で影響を受けたサプライヤーの供給状況とデリバリー方法が要因に
2020年6月24日に発表、30日に発売開始した日産の新型コンパクトSUV「キックス」は好調な販売のスタートを切っているが、納期が2020年7月下旬現在で、6カ月待ちの2021年2月以降となっている。
受注台数は1万台突破と好調なスタートを切っている。普通に考えると「受注台数が集中して多くなり生産が追いつかず、納期が先送りになっている。」のが原因と思いがちになる。ところが、実際はこれだけではなさそうだ。
コロナ禍の影響で、サプライヤーからの部品供給が滞りがちで、組み付けラインがスムーズに動かせない状況にあるのも要因になっている。サプライヤーで主に供給が滞りがちになっているのは新型コロナウイルスの震源地といわれている中国のようだ。
タイ工場で組み立て船積みし、日本の日産の追浜工場で完成検査を実施してから販売店にデリバリーする方式を採用しているのも、ネックになっている要因のひとつとなっている。
受注がある程度たまってから生産する方式なので、すぐには取りかかれない。船積みしてから航海での輸送だから、タイから日本まで最短でも約1カ月かかるといわれる。
■展示車・試乗車も売っちゃう 受注好調も販売現場は苦心
グレードは「X」と「Xツートーンインテリアエディション」の2タイプだけだから生産しやすいが、ボディカラーは2トーン4色、モノトーン9色、合計13色もあるので、あまり生産を見込んでいない色を選んだりすると、2021年の3月以降になったりするケースもある。
現在までのところでは、テーマカラーの「Xツートーンエディション」のプレミアムホライズンオレンジ、ブリリアントシルバー、チタニウムカーキの3色に集中した受注構成になっており、こちらを希望すると2021年の初めあたりの納車が可能になる。ナイトベールパープルは2021年3月以降まで待たされる。
グレード別だとステアリングヒーター、前席ヒーター付きシートが標準装備になっている上級のXツートーンインテリアエディションが全体の90%以上の受注構成比となっている。
日産は当初は受注が集中すると予想して、各販社に展示車、試乗車を配置し、販売店出の発表展示会、試乗会を開催し売り込みを強化している。
販売店各社は納期が遅れ気味なので、希望するユーザーには展示車を売ったりしている。このため展示用の車両がない店舗も出始めている。試乗車は各店舗すべてに置けないので、各販社は5~7台程度を各店舗の持ち回りで試乗会を実施している。
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