■供給状況の改善がなければ マーチの二の舞もありうる!?
新型キックスに搭載している「e-POWER」ユニットはノートに比べてトルクを向上させ、よりパワフルな取り回しができ、ワンペダル走行をさらにリーズナブルに変更している。アイドリング時のエンジン音の静粛性も向上させ、ノートとの違いを強調することで、販売増を目指している。
国内製にせずタイ工場で組み立てることにしたのは、現地でのニーズのほうが高く、グローバルでのトータル的な生産販売に優位との見方があるようだ。しかしながら、マーチの現行モデルが国内からタイに切り替えたことで、販売は極端に減少し、この戦略は失敗したといわれる。
発展途上国での生産がイメージ的によくないとの印象があるからだ。こうしたことがキックスにも当てはまるとの見方もある。今後供給態勢が改善されず、キックスの販売が伸び悩めば、マーチの二の舞になるのではないかといった見方が強まる可能性もある。
■現場が語るキックスの販売状況
●証言1:首都圏日産店営業担当者
新型キックスの受注は順調に伸びているが、納期が長引き大半は2021年にずれ込み、お客さんからの苦情が発生しており困っている。
黒っぽいナイトベリーパープルだと2021年3月以降になっている。比較的生産枠の多い2トーンのプレミアムホライズンオレンジ、ブリリアントシルバー、チタニウムカーキの3色を優先的にすすめるようにしている。あまり待たせるとキャンセルされはしないかと心配している。
メーカーには試乗車と展示車を1台ずつ発注し、展示車は各店舗に1台ずつ配置するようにしたが、こちらでもよいというお客さんには売ってしまっているので、展示車のない店舗が多くなっている。
試乗車は数台を用意しているが、全店舗に配置できないので、交代で回している状況にある。乗ってもらうとそのよさが理解して貰えるので、購入がすぐ決まるといった状況になっている。大部分は上級のXツートーンインテリアエディションで占められる。
●証言2:首都圏日産プリンス店営業担当者
納期が遅れているのは人気が高く受注が集中しているせいもあるが、これ以外にコロナ禍の影響で、主に中国のサプライチェーンが寸断され、生産が滞りがちになっているためだ。
それにタイで生産しているので、船で運ぶ期間が約1カ月もあるので、これも要因として上げられる。国内で生産すればもっとスムーズに供給できるようになると思うのだが。ボディカラーによる差もあるので、なるべく生産枠の多い色をすすめるようにしている。
新型車なので、値引き条件は引き締めている。ナビ、ETC、ドライブレコーダー付きでも下取り車なしで3万円程度しか引いていない。
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