【ターボかNAエンジンか】新型ターボのがいい車、旧型NAのがいい車 3選

【ターボかNAエンジンか】新型ターボのがいい車、旧型NAのがいい車 3選

ダウンサイズコンセプトの普及とともにNAエンジンからターボエンジンにスイッチしたモデルは多い。最近では注目の新型スイフトスポーツも、旧型の1.6L、NAエンジンから1.4Lターボエンジンへと鞍替えした。

そこで、もう一度冷静になって振り返ってみよう。ターボ化されて良かったモデルもあるけれど、逆に以前のNAの方がよかったね、というモデルもあるはず。それぞれのトップ3にはどのモデルがランクインする?

文:松田秀士/写真:編集部



旧型NAのほうがいい車 ベスト3


■スカイライン
【旧型:2.5L、V6/新型:2L直4ターボ】


V36型のエントリーグレードに搭載された2.5L、V6を置き換える形で現行V37型は2L直4ターボに

現行型スカイラインのダウンサイジング2Lターボエンジンは、エコで低回転域からトルクが厚い。こちらも環境も含めた性能的にはターボだろう。

しかし、ターボエンジン、しかもダウンサイジングされたエンジンの音質がスカイラインには似合わない。

やはり、マルチシリンダーのV6 2.5L NAのきめ細かなエグゾーストサウンドが上品で、スカイラインの歴史を感じさせる。V6は安っぽくないのだ。

しかも、2.0Lターボエンジンはメルセデス製。自社エンジンではないのだ。動力性能云々よりも、このような嗜好を大事にしなくてはならないものもある。

■ステップワゴン
【旧型:2L、直4/新型:1.5L直4ターボ】


2Lと2.4LのNAエンジンを搭載した旧型に対して、現行型はハイブリッドの追加まで全車1.5Lターボのみだった

そして、ステップワゴンも2L NAから1.5L VTECターボになった(現存する2Lはハイブリットのみ)。

1.5Lターボに変更した主な理由は、中国などの輸出先の事情を踏まえてのこと。日本も同じだが、排気量によって税制が大きく変わるので、そこをにらんでのエンジン開発となっている。

つまり、純粋にエコを目的のダウンサイジングと言えないところが複雑。ターボ化されることで補器類も増え、しかもステップワゴンのようにキャビンのスペースを最大限拡大する必要のあるミニバンではエンジンルームを小さく設計していて、ターボの熱処理に不安が残る。

ボディブローのように徐々に効いて、経年後のトラブルが心配である。つまり、敢えてターボにする必然性がどれほどだったのか?と考えてしまうのだ。

■ポルシェ911カレラ
【旧型:3.4Lボクサー6/新型:3Lボクサー6ターボ】


現行997型の登場時は3.4Lの水平対向6気筒NAだったが、2015年のマイチェンで3L水平対向6気筒ターボに

象徴的なのはポルシェ911だ。ケイマンやボクスターに関してはのちに挙げるので、ここではRRの911に絞って考えてみたい。

正直、991型になってターボ化された水平対向6気筒エンジンのフィーリングもパワー感も悪くない。いや逆に良いくらいだ。

しかし、911にはもともと911ターボ(997)や911GT2(997)といったターボモデルがある。既存の911でのターボモデルは、やはりハイパワーで申し分がない。だからこそカレラを含むその他の911はNAであってこそ意味があった。

RR独特のリヤヘビーなマシンを、ブレーキングでしっかりと前荷重させて曲げる。その時、NAエンジン特有のアクセルの踏み加減に正比例してトルクが立ち上がる。これによって、コーナリングをコントロールする楽しみがあったのだ。

完成度は、もちろん現行のターボエンジンを搭載する991型911が高い。しかし、車としての楽しみはこれまでのNAエンジンの方が上だ。

新型ターボのほうがいい車 ベスト3


■スズキ スイフトRS&スイフトスポーツ
【旧型スイフトRS:1.2L直4/新型スイフトRSt:1L直3ターボ】
【スポーツ=旧型:1.6L直4/新型:1.4L直4ターボ】


スイフトは現行型も1.2LのNAエンジンを展開しているのが、RSには1Lの直3ターボ搭載のRStが新設定

では、ターボ化が良かった例を挙げよう。スイフトRSは旧型と同じ1.2L NAも用意するものの、RStは3気筒1Lターボにダウンサイジング。ダウンサイジングはこの手のコンパクトカーには、とても有効なテクノロジーだ。

単に排気量を小さくしてターボ化するよりも、スイフトのように気筒数を減す手法は意味がある。2000回転あたりからもシートに押し付けられるような加速感があり、排気音もなかなかスポーティだ。CVTとの相性が良いので、この加速感がある。

同列で、新型スイフトをベースにデビューしたばかりのスイフトスポーツも同じ。こちらは1.6L NAから1.4L直噴ターボになった。2000回転弱からのトルクの立ち上がりが鋭く、スペック上の数値以上の体感がある。

もちろん、そのパワーを受け止めるボディとサスペンション、タイヤに進化。この走りで200万円を大きく切る価格。ターボ化で一気に注目を浴びた成功例と言える。

■シビックタイプR
【旧型(FD2):2L直4/新型:2L直4ターボ】


代々高回転NAエンジンを搭載してきたシビックタイプRだが、先代でターボ化。新型も2LのVTECターボエンジン搭載

そしてシビックタイプRだ。先代から既にターボ化され、今回のフルモデルチェンジでは同じエンジンをリファインして搭載。それがまたかなりレスポンスが向上していて、ターボなのにNAのようなピックアップ。

少し残念なのは、電動ウェストゲートの開閉音が静かになったことと、レーシングエンジンのようなアフターファイヤーの音も消されたことだった。つまり、性能には満足。

■ポルシェ ケイマン
【旧型:2.7Lボクサー6/新型:2Lボクサー4ターボ】


ケイマンは『718』の冠が付いた現行型からエンジンをターボ化し、6気筒から4気筒エンジンへ

こちらは、皮肉にも悪かった例で挙げたポルシェだ。しかし、911ではない。ケイマンだ。また、ボクスターも同じ。

4気筒になったことで、車のバランスが格段に進化。軽快感が増し、とにかくコーナリングが楽しい。パワーも、ターボによるトルクアップと高回転域の抜ける感じが素晴らしい。MRでバランスが良いから、RRの911のように細かなアクセルワークにこだわらなくても、オンザレール感覚で走りがスムーズなのだ。ケイマン・ボクスターはターボ化によって別のモデルに進化したといってもいいくらいだ。