「トヨタ帝国」にどう挑む? ライバルメーカーたちのSUV戦略

■まさに少数精鋭の品揃え  スバル編

価格帯で見るトヨタのライバル車
・XV vs C-HR、RAV4(ガソリン 標準車)
・フォレスター vs C-HR(HV)、RAV4(ガソリン)
・アウトバック vs RAV4(HV)、ハリアー(ガソリン)

 インプレッサスポーツをベースに効率よく開発されたXVだが、販売は好調だ。

 260万~290万円が売れ筋となり、C-HRと重なる。後席と荷室はXVが広く、走行安定性は同等。動力性能ではXVが勝り、内外装はC-HRが洗練されている。

XV

 アウトバックもワゴンベースのSUV。価格は300万円を上まわり、ハリアーがライバル車。アウトバックは、海外では新型が発売されたのに、日本では旧型を売る。したがって選ぶ価値は下がった。

アウトバック。スバルのSUVはいずれも最低地上高が高いのが特徴

 フォレスターは背の高い純粋なSUVだ。300万円前後が売れ筋で、ライバル車はRAV4。

 フォレスターは運転しやすく、ガソリンエンジンの動力性能も勝る。RAV4は走行安定性が優れ、積極的に操る楽しさが魅力だ。

●健闘度 75/100

■小さなSUVで差別化を スズキ編

価格帯で見るトヨタのライバル車
・イグニス vs ライズ全モデル
・クロスビー vs ライズ全モデル
・SX4 S−クロス vs ライズ 4WD
・ジムニーシエラ vs ライズ全モデル 
・エスクード vs C-HR、RAV4(FF、Xグレード)

 スズキはSUVを豊富に用意する。その代表がエスクードだ。今は1.4Lターボのみを搭載して、価格は270万円少々だからC-HRと同等になる。前輪駆動ベースの4WDを備えるが、悪路走破力に余裕があって視界もいい。

販売的には影が薄いが、独特の存在感を放つ現行エスクード

 クロスビーは180万~200万円が売れ筋で、トヨタのライバル車はライズになる。クロスビーは後席と荷室が広く、ライズは外観がSUVの典型でカッコイイ。

 このほかジムニーの小型車版になるジムニーシエラ、SUVとコンパクトカーの中間で全長を3700mmに抑えたイグニス、基本部分をエスクードと共通化したSX4 S-クロスなど、スズキにはライズに相当する小さなSUVが多い。

SX4 S-クロス

●健闘度 83/100

■ライズと完全一致じゃない! ダイハツ編

 ダイハツのSUVは軽自動車のタフトを除くとロッキーのみ。基本的な機能はライズと同じだが、ダイハツでは上質になった軽自動車からの上級移行もある。そこでロッキーは独自のレザー調シートを備えるプレミアムを設定した。

 装備と価格を見ると、ロッキーはライズよりも1万~2万円割安だ。ダイハツは営業関連費用が安く価格を抑えた。

トヨタの完全子会社で、ライズとは姉妹車であるため、健闘というものでもないが、地味にライズより割安だということが判明したロッキー

【閑話休題】500万円以上なら、輸入SUVだって狙えるけど……

(TEXT/編集部)

 500万円以上のSUVとなると、さすがにトヨタといえどやや手薄になり、レクサスブランドの出番。国産ではほぼライバル不在だが、今度は輸入車勢が立ちはだかる。

 アウディではQ3、BMWではX2、ベンツではGLB、ボルボではXC40。そのほかVWのティグアンやフランス勢も、もちろん狙える。

 いずれも性能や上質感だけでは比較できない個性や、乗った時の面白さがあり、それゆえにレクサスは、日々それらの輸入車たちと熱闘を繰り広げているのだ。

BMW X2

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