ジムニー、ジープ、BMW…定番にはない「クセの強い」オススメグルマ 15選

■旧型中古で選ぶクセ強グルマ

(TEXT/伊達軍曹)

 ちょっと前までの中古車なら、特に「他人のことなど知らん! 俺は俺の生きたいように生きるぜ!」と考えている欧州人が作ったクルマであれば、クセ強系の(それでいてナイスな)クルマは簡単に見つけることができる。

 例えばイタリアのフィアットが2000年代に販売していた2列×3人がけシートのMPVであるムルティプラ

フィアット ムルティプラ/クセ強度 100%……●中古車該当年式:2003年~2004年 ●中古車相場:40万~120万円 ●流通量:★★☆☆☆ 前期型はデザインのクセが強すぎる!
フィアット ムルティプラ/クセ強度 100%……●中古車該当年式:2003年~2004年 ●中古車相場:40万~120万円 ●流通量:★★☆☆☆ 前期型はデザインのクセが強すぎる!

 前期型の深海魚のようなフェイスは、さかなクンならずとも「ギョギョッ?」という感じで、初代BMW6シリーズが世界一美しいクーペであるならば、こちらは「世界一醜いクルマ」。

 しかしその走りは超一級品で、上手い人が乗れば、下手クソが乗るスポーツカーをコーナーでぶっちぎることも普通に可能だ。

 中身は素晴らしいのに顔のクセが妙に強いといえば、フランスはシトロエンのアッパーミドルである初代C5も忘れてはいけない。

シトロエン C5(初代)/クセ強度 80%……●中古車該当年式:2001年~2008年 ●中古車相場:20万~30万円 ●流通量:★☆☆☆☆ いいクルマなのに顔のクセが強い!
シトロエン C5(初代)/クセ強度 80%……●中古車該当年式:2001年~2008年 ●中古車相場:20万~30万円 ●流通量:★☆☆☆☆ いいクルマなのに顔のクセが強い!

 これの次に登場した最終型C5は立派なイケメンになったのだが、初代はなぜか謎の東南アジア系フェイス。フランス人の高度すぎる(?)デザインセンスに世界が困惑した。

 しかし、これまた乗ってみれば本当に素晴らしいセダンで、東南アジアフェイスと実力との落差はあまりにも味わい深い。

「……もう少しカッコいいクセ強中古車はないのか?」とのクレームも来そうなので、カッコいいやつをご紹介しよう。先代メルセデスベンツCクラスのAMGモデルであるC63 AMGだ。

メルセデス・ベンツ C62 AMG/クセ強度 75%……●中古車該当年式:2007年~2014年 ●中古車相場:170万~580万円 ●流通量:★★☆☆☆ 排気量と税金のクセが強い!
メルセデス・ベンツ C62 AMG/クセ強度 75%……●中古車該当年式:2007年~2014年 ●中古車相場:170万~580万円 ●流通量:★★☆☆☆ 排気量と税金のクセが強い!

 昨今はAMGですらダウンサイジングターボを積極的に採用しているが、この時代のC63 AMGは怒涛の自然吸気6.2L V8。最高出力は457psで、ブレーキは強力だが、その気になればいつでも死ねるくらい猛烈に速い。

 ただし税金も猛烈で、自動車税は年額11万円。このクセの強い(?)自動車税に耐える自信があるならば、ぜひとも入手したい名車だ。

 逆に「エンジンと車体が小さすぎ!」というのがフィアット500だろうか。

 現在売られているアレではなく、1950年代から1970年代にかけて「NUOVA500」として販売された、ルパン三世の劇中車としても知られるアレである。

フィアット500/クセ強度 85%……●中古車該当年式:1957年~1977年 ●中古車相場:170万~320万円 ●流通量:★★☆☆☆ 小さすぎるサイズのクセが強い!
フィアット500/クセ強度 85%……●中古車該当年式:1957年~1977年 ●中古車相場:170万~320万円 ●流通量:★★☆☆☆ 小さすぎるサイズのクセが強い!

 エンジンは0.5Lの直2OHVと石器時代のようにシンプルで、全長はわずか2970mm。これに乗ればすべてが“非日常”へと変化するだろう。

 国産の中古車でクセが強いといえば、やはりスズキX-90だろうか。

スズキX-90/クセ強度 100%……●中古車該当年式:1995年~1998年 ●中古車相場:50万~80万円 ●流通量:★★☆☆☆ もう、すべてのクセがスゴイんじゃ~!
スズキX-90/クセ強度 100%……●中古車該当年式:1995年~1998年 ●中古車相場:50万~80万円 ●流通量:★★☆☆☆ もう、すべてのクセがスゴイんじゃ~!

 SUVなのに2シーター、都会派志向のクロスオーバー車なのにラダーフレームという、すべてが謎な、大変に素晴らしいクセ強名車(迷車)であった。

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