昨年6月にデビューしたものの、発売後1カ月で月販300台の計画を大幅に上回る3000台以上の受注があったために受注を停止していたRAV4 PHV。あれから8カ月、RAV4 PHVの受注が今年2月に再開した。
それにしても、RAV4 PHVはなぜこれほどまでに受注が殺到しているのか? クルマそのものの魅力もあるだろう。とはいえ、ほかにも要因があるのでは? RAV4 PHVがここまで多く受注を抱えた理由を渡辺陽一郎氏が考察する。
文/渡辺陽一郎 写真/ベストカー編集部
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■RAV4の販売台数を考えるとPHVの割合は少なかった
RAV4はトヨタのSUVの主力車種で、国内、海外ともに人気が高い。現行型は国内では2019年にノーマルエンジン車とハイブリッドが発売され、2020年6月8日には、RAV4 PHV(充電も行えるプラグイン方式のハイブリッド)が追加された。
RAV4 PHVは好調に売れると期待されたが、発売の翌月となる2020年7月上旬に受注を停止した。販売店に問い合わせると「2020年度の生産枠をすべて使い切ったので受注を停止した。現時点(2020年7月上旬時点)では、生産の再開時期などはわからない」という返答だった。
ちなみに2020年6月にRAV4 PHVを発売した時の月販目標は300台であった。RAV4のノーマルエンジンとハイブリッドは、両タイプを合計すると、2020年1~6月の1カ月平均が4536台に達している。RAV4の人気を考えると、PHVの月販目標台数が10%以下の300台では少なかった。
また受注を停止した理由はほかにもあった。2020年度の生産枠をすべて使い切ったとすれば、1カ月当たり300台×10カ月(2020年6月から2021年3月)=3000台を受注したことになるが、販売店などの情報によるとそこまで達していなかった可能性もある。
コロナ禍が深刻化していた時期でもあり、リチウムイオン電池などの供給体制も含めて生産に滞りも生じたようだ。
■3月中旬の契約でも納車は12月になる
プラグインハイブリッドや電気自動車に交付される補助金も関係している。納車を待つ間に年度が切り替わると、交付される補助金額も変動するからだ。補助金額が確定しないと、ユーザーの負担も正確に割り出せないから、受注しにくい事情もあった。
そして2021年に入ると、RAV4 PHVの生産がようやく再開された。トヨタによると「ご注文いただいたお客様に、できる限り早くお届けすることを第一に考えている。2021年2月の登録台数は200台になる」とのことだ。
販売店に問い合わせると、以下のような返答だった。
「RAV4の販売会社に向けた割り当て台数は少ない。そのために弊社では、3月中旬に契約をいただいても、納車は11月になってしまう。この受注枠も残りわずかだから、少し時間が経過すると、納車は12月以降になる。PHVを除いたRAV4の納期は平常どおりで、ノーマルエンジンとハイブリッドは、3月に受注しても6月には納車できる」。
このようにRAV4では、PHVの納期だけが長引いている。その理由は何か。
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