■気になるバイオ燃料の使用感や品質は?
気になる使用感だが、ユーグレナが今回給油した一般客に聞いたところ「通常の燃料と変わらない走り心地だった」らしい。
バイオ燃料実証プラントの製造工程を経て製造した次世代バイオディーゼル燃料(これは軽油と混ぜていない)は、軽油と同じくJIS企画および品確法上の強制規格に合致していることを確認ずみ。
いすゞ自動車によるエンジン試験で、基本性能や排ガスの試験も実施ずみ、軽油同等との結果を得たとのこと。
■つまり何がスゴいのか
この次世代バイオディーゼル燃料は原油から取り出した軽油と混合しなくても、精製済みの軽油と同等の品質・性能ということ。
クリーンディーゼル車であればこの次世代バイオディーゼル燃料が使用できるのだ。
気になるのは製造能力。横浜市鶴見区にある実証プラントは年産125kL(12.5万L)が可能で、2025年までに商業プラントを完成させ、年産25万kL(2億5000万L)を目指すとしている。
トウモロコシやサトウキビと比べて、藻類のほうがバイオ燃料の生産効率が高く(10~100倍とも言われている)、バイオディーゼル燃料であればそのままクルマで使える。
採算がとれるレベル(1Lあたり50円程度)にまで生産プラントを拡大しつつ、さらなる効率の高い藻類を発見・開発できれば、カーボンニュートラル実現に大きな助けとなるはず。今後も要注目だ。
【番外コラム】日本のエネルギーをすべてバイオ燃料でまかなうには??
バイオディーゼル燃料が年産25万kM(2.5億L)と言われてもピンとこない人のために乱暴な計算をしてみた。
日本の1年間の総エネルギー使用量は、2018年で13088PJ(ペタジュール)だ。軽油が1Lあたり38.2MJ(メガジュール)なので、単純計算でバイオディーゼル燃料を3426億Lほど製造できれば、日本社会全体がカーボンニュートラルになる。
ユーグレナが計画している商業プラントが1370基ほどあれば達成できる計算。ちなみに、日本国内の油田から産出される原油の量は年間6億L程度。原油の輸入量は年間2000億L程度となっている。ピンときただろうか?
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