バイクの「高速料金半額」が実現! なぜ期間や距離が限定なのか国交省に理由を聞いた

条件がたくさん付くのは効果的に観光を振興するため

 国交省の回答を掲載していこう。まず、なぜ期間限定なのか。

「調査した結果、バイクの利用者が多い観光シーズンなのが理由。今回の割引制度は、二輪の利用促進のほか、観光振興も目的の一つになります。冬は利用者が減り、雪などで走行できないケースもあるため、対象期間外としました」とのこと。しかし、反響によっては今後「通年」とする可能性もあるそうだ。

「土日祝日限定」なのも同様に、「利用者が多いから」が理由。また、平日朝夕の通勤割引(平日6~9時、17~20時)とのバッティングを避ける意味合いもあると言う。

「走行100km超に適用」という条件に関しても、「観光振興が目的」のため。前述の通勤割引は「100km以内」が条件なので、またもこちらとの兼ね合いから距離が設定された。

 とはいえ、100km圏内の近場にも観光地はたくさんある。例えば、都内から箱根に行った場合(東名高速・東京IC~御殿場IC)などメジャーなスポットでも100kmに満たないケースも。もう少し融通をきかせて欲しいものだ。

料金イメージ。「二輪車定率割引」は、平日の通勤割引(平日朝夕割引)と重複しないよう設定されている
料金イメージ。「二輪車定率割引」は、平日の通勤割引(平日朝夕割引)と重複しないよう設定されている

「システムの改修に1年かかる」とNEXCO側が回答

 現状から「37.5%」という割引率に関しては、「ツーリングプランや四輪など観光向けの周遊パスで、利用者が多い割引率から算出した」とのこと。

 政務調査会に設立された「自民党二輪車問題対策プロジェクトチーム」(逢沢一郎座長)や、AJ(全国オートバイ協同組合連合会)ら業界団体は、長年「普通車の半額」を訴えており、もちろん、これを踏まえた数字でもあると言う。

 現在、軽自動車は平均的に普通車の80%という割引率で、バイクも軽自動車と同じ料金設定となっている。この料金から37.5%を割引すれば、普通車のちょうど「半額」になる計算だ。

「開始時期が約1年後」になる理由については、「二輪車の定額割引は初めてなので、システムの準備や、ユーザーへの周知期間を考慮した結果」と話す。

 それにしても「1年」は長すぎないだろうか? これに関しては、「国交省が判断したのではなく、NEXCO3社にシステム調整のための期間などを検討してもらった結果」という。既存のツーリングプランの仕組みを利用するのだから、せめて今年の夏休みには間に合わせて欲しかったところだが……。

二輪車の定率割引を実現するためには料金システムへの投資も必要で、そのためにも時間が必要となっているはずだ
二輪車の定率割引を実現するためには料金システムへの投資も必要で、そのためにも時間が必要となっているはずだ

ライダー長年の要望が「一応」叶ったが、ゴールはまだこれから

「日本全国いつでもどこでも普通車の半額」というゴールに向けて、ツーリングプランは最初の一歩だった。今回の新制度は、さらに大きく目標に向かって前進した格好。ライダーの筆者としては、様々な条件が正直気になるが、逢沢議員の語るように「一里塚」と考えれば納得できる。

ひとまずは詳細の発表を楽しみに待ちたい。

自民党二輪車問題対策PTの逢沢一郎座長。2020年末に取材した際、新プランについて「最終的に定率0.5を目指す一里塚にしたい」と語った。取材時は2021年4月からの実施を目指していた
自民党二輪車問題対策PTの逢沢一郎座長。2020年末に取材した際、新プランについて「最終的に定率0.5を目指す一里塚にしたい」と語った。取材時は2021年4月からの実施を目指していた

【画像ギャラリー】ネクスコ3社と国交省の発表した二輪車定率割引プランの概要はこちら

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