チャイルドシート使用が義務づけられたのは2000年のこと
車両にシートベルトの設置が義務づけられたのは1969年(昭和44年)。しかし、当時は、設置されてはいるものの、運転手をはじめ、搭乗者にシートベルトを締めなければならないという認識はほとんどなかった。
そして、1986年(昭和61年)にようやく一般道での着用が義務化。チャイルドシート着用が義務化されたのは、それから14年後の2000年(平成12年)のことだった。
日本でチャイルドシート着用が法制化されたのは世界でもかなり遅いほう。事故が起こらない限り、行政が動かないのは周知の事実。正直、日本は子どもの命を軽んじているとしか思えない。
そもそも、チャイルドシート着用が義務化されたのは、1990年代後半、乗車中の事故で子どもがケガをしたり、死亡するケースが急増したため。だが、今の親世代がその経緯を知らないのは仕方がない。
しかし、時速50kmで走行しているクルマがコンクリートに衝突したときの衝撃は、ビル5階から飛び降りたのと同じくらいの衝撃なのだそう。万が一、追突されたら、乱暴なドライバーのあおり運転に遭ってしまったら……公道では何が起こるか分からない。
乳幼児をヒザの上に乗せている人を未だによく見かけるが、万が一のとき、ヒザの上に座る乳幼児は大人のエアバッグ替わりになることだろう。事故率の高い助手席で、乳幼児をヒザの上に乗せるなどもってのほかだ。
子どもが大切なら、どんなときも絶対にチャイルドシートを使おう!
「義務だからチャイルドシートを使う」ではなく、「大切な命を守るためにチャイルドシートを使う」と、親が意識を変えることがいちばん大切。意識を変えれば、「嫌がるのに、無理にチャイルドシートにのせたらかわいそう」とはならないだろう。
「自分は絶対に事故を起こさないから大丈夫」、「運転には自信があるから」といっても、もらい事故の可能性は多分にある。
クルマを運転するということは、人の命、引いては人生を左右する重大な行動だということを忘れずに、「絶対に安心・安全はない」と肝に銘じ、どんなときも「大丈夫だろう」ではなく、「危ないかもしれない」という気持ちを忘れずに慎重に対応したい。
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