『ハコヅメ』から考えるチャイルドシート装着の必要性

『ハコヅメ』から考えるチャイルドシート装着の必要性

 『モーニング』にて連載中の『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』(秦 三子著/既刊18巻)をドラマ化した日本テレビ系(同タイトル)作品に注目が集まっている。

 特に、走行中、チャイルドシート未装着だったため、事故に遭い、車外へ投げ出された赤ん坊が死亡するという、2021年8月25日放送の第6話。

 このストーリーがネット民をザワつかせた。原作まんがでは、車外に放り出された赤ん坊は後続車にひかれ、さらにひどい状態に。ドラマではそこまで描かれていなくとも、社会に問題提起してくれたのは確かなこと。今一度、チャイルドシート(&ジュニアシート)装着の重要性について考えてみた。

文:江藤誌惠/写真:ベストカー編集部、VOLVO、国土交通省/図版引用元:JAF・警察庁

【画像ギャラリー】衝突実験画像! チャイルドシートなしには乗車不可能!


まんがやテレビドラマで描かれた、チャイルドシート未使用による乳児死亡事故

マジでつけなきゃヤバイよ! 日テレドラマから考えるチャイルドシート!
講談社コミックプラス『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』(秦 三子著)で描かれたチャイルドシートの重要性

 講談社コミック『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』のチャイルドシートのくだりは、作品が掲載されているまんが雑誌『モーニング』(講談社刊)で発表されたころから注目されており、テレビ放送でさらに耳目を集めた。

 SNSにはコメントが多数書き込まれ、「観てない人もこれだけは観て」「チャイルドシート、マジでつけて」「原作も辛かったけど、ドラマも辛い……」「チャイルドシート、ホント大事よ」「今回のハコヅメ、ヤバイわ」などなど、内容にショックを受けると共に、チャイルドシートの大切さを発信する人が多数現れた。

日本でのチャイルドシート使用率は全体で約7割

「6歳未満のチャイルドシート乗車状況」警察庁・JAF合同調査より(2019年)
「6歳未満のチャイルドシート乗車状況」警察庁・JAF合同調査より(2019年)

 現在、チャイルドシート使用率は1歳未満では9割。だが、1歳~4歳で7割に低下し、5歳にもなると5割まで低下する(警察庁・JAF合同調査/2019年)。道路交通法(以下、道交法)では6歳未満の幼児はチャイルドシートの使用が義務づけられているが、子どもの年齢が大きくなるにつれて使用率は低下していくのが実情。

 子どもが小さいうちは、チャイルドシートの載せ下ろしが面倒だからと、チャイルドシートを用意しているにもかかわらず使わなかったり、イヤイヤ期真っ只中の2歳前後の幼児にとってチャイルドシートは自由を奪われる拘束具でしかなく、ギャン泣きで抗議してくるため、親が根負けすることも。

 または、シートベルトの重要性を知らない祖父母が「小さいのにかわいそう」などと、チャイルドシートを使用することを止めることもままあるよう。

「年齢層別チャイルドシート使用率」警察庁・JAF合同調査より(2019年)
「年齢層別チャイルドシート使用率」警察庁・JAF合同調査より(2019年)

 一般道における後部座席でのシートベルト着用は、2008年(平成20年)に義務化されているが、周知されていないためか、罰金・減点の対象となっていないためか、ある程度子どもが大きくなると、チャイルドシートはともかく、シートベルトすらつけずに後部座席に座っている子どもを見かけることも。日常的にクルマを必要とする地域ではよくある光景だ。

次ページは : チャイルドシート使用が義務づけられたのは2000年のこと

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