■強化されたパワートレーンと足回り
GTIの魅力的な走りを生むパワートレーンも、しっかりと進化。EA888 evo4に進化した2L直列4気筒ターボエンジン「2.0TSI」は、最高出力が従来型比+15psとなる245ps/5000~6500rpmに。最大トルクも従来型比+20Nmとなる370Nm/1600~4300rpmに強化された。
これは従来型ゴルフVIIGTIパフォーマンスと同等の性能であり、トランスミッションも標準が6速DSGだったものに対して、GTIパフォーマンスと同じ7速DSGにアップデートされた。さらにスペックには現れないものの、フリクションの低減やノイズ特性の改善も図られている。
前後サスペンションはフロントがストラット、リアが4リンクである点は、従来型同様だが、スプリングの改良や構造の見直しなどを受けており、フロント部はアルミ製サブフレームにより3kgの軽量化を実現。前後ともにスプリングレートの引き締めも行われている。
新型では、電子制御油圧式ディファレンシャルロックシステムを全車に標準化しているのもトピックのひとつ。これまで電子制御式ディファレンシャルロック「XDS」との統合制御により、正確で安定したステアリングを実現しているという。
また、オプションの電子制御ダンパー「DCC」も用意され、こちらは4輪独自に毎秒200回の調整を行うことで、安定した車両姿勢とシーンに合わせた乗り味を提供する。
■より洗練されたスポーツハッチに
ゴルフのFFシリーズの頂点となるGTI。近年のゴルフは、4WDスポーツの「R」がカタログモデル化されたことで、GTI本来の価値であるボーイズレーサーから、洗練された大人のスポーツカーとしてのキャラクターが強められている。新しいDCCは、ドライビングプロファイルのカスタムモードでは、コンフォートよりもソフトに、スポーツよりもハードな足を楽しめるようになった。
その万能差は、普段はファミリーカーとして活躍しながらも、一人で出かける際は、スポーツカーに生まれ変わることも可能に。しかも新型GTIは、先代のアップグレードモデルである「ゴルフVIIGTIパフォーマンス」と同等の動力性能が与えられ、シャシーの進化も図られている。
スポーティなスタイルの「Rライン」の約85万円高というプライスは決して安くはないが、その差額を上回る楽しさと価値はしっかり得られるだろう。
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