今年4月から条件付きで予定されている二輪車の「高速輪料金半額」プラン。続報が途絶えていたが、予定通り4月の実施に向けて調整が進められていることが判明した!
その陣頭指揮を執っているのが、自民党二輪車問題プロジェクトチームの新座長に就任した三原じゅん子議員。バイクに関する様々な問題の解決に向けて力強いリーダーが誕生した!
文、写真/沼尾宏明
【画像ギャラリー】自民党二輪車問題プロジェクトチームの新座長就任発表(7枚)画像ギャラリー三原議員は鈴鹿8耐チーム監督も務めたバイク好き
1979年に放送された「3年B組金八先生」(第1シリーズ)を知る世代にとって、三原じゅん子さんと言えば、「顔はヤバいよ、ボディをやんな!」のセリフで有名なツッパリ女子中学生役を思い出す人も多いことだろう。
その後、2010年に自民党から参院選に出馬し、見事当選。以来、がん治療に対する取り組みなどで年々議員としての存在感を強めている。
一方でプロのレーシングドライバーや、鈴鹿8耐チーム監督の経歴を持ち、モータースポーツへの造詣も深い。これらの経歴から自民党オートバイ議員連盟と自民党二輪車問題プロジェクトチーム(以下、PT)に在籍し、辣腕をふるってきた。当然、近年のバイクを取り巻く環境についても詳しい。
「自民党二輪車問題PT」とは、2016年から政務調査会に設立された自民党の正式機関で、バイクの利用環境に関する様々な諸問題を解決するのが目的。関係省庁の担当者が同じテーブルについて議論を重ね、ここで決められた政策は国策に直結する。強い影響力を持ち、AT小型限定普通二輪免許の取得容易化、二輪車ツーリングプランなどの実績を挙げてきた。
これまで逢沢一郎議員がPTの座長を務めてきたが、既に6年が経過し、前身の自民党オートバイ議員連盟を含めれば16年にわたって中心的役割を果たしてきた。
逢沢議員の活動があまりに長期にわたったため、逢沢議員とともに事務局長としてPTで活躍してきた三原議員がPTの新座長に抜擢。2022年1月24日、二輪関係者らを招いた座談会が都内で行われ、新座長就任が発表された。
4月実施に向け、NEXCO管外の高速道路も対象にすべく調整中!
直近の二輪関連で気になるのは「高速料金半額」の動向だ。
ベストカーWebでも既報のとおり、2022年4月からバイクの高速道路料金が期間限定で「普通車の半額」になると発表。ETC搭載のバイクを対象に、土日祝日限定で100km超走行すると料金が普通車の半額になる予定だ(詳細はhttps://bestcarweb.jp/news/296665参照)。
2021年6月の発表から、その後の経過は不明だったが、三原新座長が出席した座談会で最新の状況が明らかに。
AJ(全国オートバイ協同組合連合会)の大村直幸会長によると、「コロナ禍で発表しにくい流れがある。ただ、現在は4月の実施に向けて調整中と聞いている」という。
本来は2021年4月から実施予定だったが、開始時期が約1年後に延びた理由に関しては、「昨年春に交渉した時点で、“どうしても2022年3月頃までシステムの改変に時間かかかる”との回答だった」と大村氏。
なお、関係者筋によると、4月からのバイク定額割引は、NEXCO3社(東日本高速道路、中日本高速道路、西日本高速道路)が管理する高速道路を一回の乗降で100km走行した場合に対象となるが、「首都高や第三京浜などNEXCO管外からの乗り継ぎも走行距離に計算すべく細かい調整をやっている」という。
また、沖縄には高速道路が57kmしかないが、そちらも対象にすべく動いているとのこと。使う側の目線で調整が進められており、いわゆる拙速で昨年4月から開始するより、結果的に延期はいい側面があったのかもしれない。
「国民の感覚を大事にしない限り、政治は信頼されなくなる」
さらに三原座長は、「“高速道路の二輪料金が軽自動車と同じ”というのは、誰に聞いても“理解できない”と言われる。これが普通の感覚です。国民の当たり前の感覚を大事にしない限り、政治は信頼されなくなる」と発言。
「私はこういう当たり前のことをきちっとやりたいだけなんです。これを理解できない、それぞれの立場の省庁の方もたくさんいらっしゃいますが、当たり前のことをきちっとやっていくのが政治の役目。これから新たな問題も出てくると思いますが、私たちが今までやってきた問題についても筋道を立てて大切にしていきたい。
やらなきゃいけないことはいっぱいあります。皆さんが納得できるPTにしなければならないと思いますので、“全力を挙げて戦っていく”という気持ちで頑張ってまいります」と締め括った。
最後に質疑応答の時間が設けられ、幸いにも筆者が質問する機会を得た。
以前からPTではバイクの高速料金について、4月からの限定的な割引がゴールではなく、「日本全国いつでもどこでも普通車の半額」が最終的なゴールという目的を掲げきたが、その意志は変わらないか、と質問したところ、三原議員から、「そこは譲っちゃだめでしょう。(二輪料金は)変えないといけないとずっと思っています」と力強い返答を得ることができた。
エンジンがついている乗り物に愛着があったため、自民党オートバイ議連に入会し、PTの座長にまで登り詰めた三原議員。金八先生時代から変わらぬ持ち前の“迫力”とバイクへの愛で、二輪諸問題の解決に向けて取り組んでもらえることを期待したい!
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