前代未聞のワゴンタイプ交通覆面。大阪府警のステージア登場の衝撃を覚えているか?

■ステージアの覆面は、どこに出没していた?

 交通機動隊に配備されていた2台のステージア覆面パトカー、基本的には府内の主要な一般道で活躍していたわけだが、その活動範囲を振り返っておこう。

 まず、ライトブルーの個体。こちらは八尾市にある交通機動隊八尾分駐所の所属で、主に河内長野市・富田林市・松原市・堺市などの主要道路に出没していた。

違反車に停止を求めるステージア覆面(ライトブルー)。国道309号線ではよく活動が見られた
違反車に停止を求めるステージア覆面(ライトブルー)。国道309号線ではよく活動が見られた

 もう一方のシルバーの個体は、大東市の大東分駐所に配備されており、大阪府と奈良県を結ぶ阪奈道路でよく活動していた。ここは、峠道もあったため、夜間は走り屋の取り締まりも行っていた。

 ところで、2台とも取り締まり時は、違反車両を誘導して停車すると、すぐさま赤色灯を格納し違反処理にあたっていた。このため赤灯を出しているシーンを見かけることが少なく、マニアや地元ドライバー以外には、ながらく知られざる存在でありつづけた。

 ちなみに、同時期には三重県警察自動車警ら隊にステージア白黒パトカーが2台採用されており、全国的にも珍しいと、パトカーファンの注目を集めた。グレードは250系だった。

三重県警察自動車警ら隊にはステージアが2台、県費(県の予算)で配備されていた。ステージアの白黒パトカーは新鮮だった
三重県警察自動車警ら隊にはステージアが2台、県費(県の予算)で配備されていた。ステージアの白黒パトカーは新鮮だった

■10年以上の活躍! 退役までの変遷

 交通取り締まり用覆面パトカーは、一定年数を経ると別部署へと車両を「異動」させることが多く、このステージア2台も例外ではなかった。

 八尾分駐所のライトブルーステージアを例に挙げると、八尾分駐所(大阪ナンバー)から交通機動隊本隊所属(なにわナンバー)、その後高速隊の藤井寺分駐(和泉ナンバー)、最後は高速隊本隊(大阪ナンバー)の所属となり、かっこ内に示したように、その都度ナンバー変更も行われた。この個体は2014年中頃まで活動が確認されている。

 一方、シルバーの個体を最後に筆者が目撃したのは2015年11月だった。こちらの晩年は高速隊貝塚分駐所属であったため、和泉ナンバーを取得していた。

 シルバーの個体は災害警備訓練などでも活躍しており、交通規制訓練では資器材運搬などで活用されていたようだ。

災害警備訓練時のひとコマ。大東分駐所所属当時に参加していた
災害警備訓練時のひとコマ。大東分駐所所属当時に参加していた

 なお、大阪府警では、ステージアが第一線を退いた頃の2011年にも、ステーションワゴンタイプの覆面パトカーが登場している。スバルレガシィツーリングワゴン(BR9型)で1台が府費で導入されている。こちらは高速隊所属なのだが、阪神高速道路環状線や神戸線などで頻繁に活躍している。ステージア同様にアンテナは車内に備わっており、外観上は全くわからない印象だ。

 こちらも導入から10年を超えているため、後継車両が気になるところ。またもやステーションワゴンタイプの交通取り締まり覆面が導入されるのだろうか。

【画像ギャラリー】前代未聞のワゴンタイプ交通覆面。大阪府警のステージアを写真で振り返る!(9枚)画像ギャラリー

もっとパトカーについて知りたい方は『平成~令和新時代 パトカー30年史』もご覧ください。『平成~令和新時代 パトカー30年史』はこちら

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