売れ筋グレードの車両本体価格が500万円近い高額車ながら、2021年の新車販売台数でミニバンNo.1となったトヨタアルファード。
コロナ感染の拡大、そして世界的な半導体不足で多くの車種の納車が遅延するなか、注文してからの工場出荷の目処が約3カ月と新車のデリバリー体制も充実。これは営業現場も安心して販売できるモデルと言えるだろう。
しかしながら、エントリーモデルでも新車の乗り出し価格が400万円オーバーとなるアルファード。少しでも安く手に入れたいのであれば、中古車という選択肢もあるが、高年式のアルファードの中古車は本当にお得と言えるのだろうか?
そこで、今回はアルファードの新車の買い方とともに、中古車の最新事情について紹介する。
文/萩原文博
写真/トヨタ、ベストカーweb編集部
■デビューから6年経過した現在も売れ続けるお化けクルマ。その人気の秘密は??
アルファードは高い人気に支えられているため、5年後の買取価格が一般のクルマと比べると高い。そのため新車を購入する際、残価設定ローン(車両本体価格の一部をあらかじめ残価として据置、残りの金額を3年などの一定期間で毎月支払うプラン)を利用すると、残価が高いため月々の支払い額が低く抑えられるのだ。
例えば、ボディカラーを+3万3000円の有償色であるホワイトパールクリスタルシャインを選んだ人気グレード2.5S タイプゴールドII 7人乗り 2WD車を残価設定型プラン60回払いで計算すると、初回支払額が5万9900円で月々5万6600円となる。
諸費用を含めた乗り出し価格が500万円近いアルファードでも高い残価率に支えられて、新車を安く乗る方法が用意されているのだ。これが大ヒットにつながっている一つの要因だろう。
それでは、中古車相場はどうか見てみよう。2015年1月に販売開始し、丸6年が経過した現行型アルファードの中古車の流通台数は約2,460台。歴代モデルで最も多く、先代モデルの2倍以上と豊富な流通台数を誇る。
中古車の平均価格は約433.3万円で、価格帯は約198万~約2199万円。1000万円以上の中古車はレクサスLMに架装したモデルやエグゼクティブラウンジをベースとしたカスタムモデルとなっている。
現行型アルファードは2017年12月にマイナーチェンジを行っており、現在のところこのタイミングで前期型と後期型にわけることができる。中古車の流通台数は前期型が約1400台そして、後期型は約1060台と後期型が急速に増えているのだ。
流通している中古車の分布を見ると、アルファードの人気がハッキリとわかる。一般的なクルマはデビューした年が最も多く、その後は減少。マイナーチェンジで一度盛り上がるものの再び減少に転じるという動きとなる。
しかし、アルファードの中古車で最も多い年式は2020年(令和2年)の約395台で、最も少ない2018年(平成30年)でも約206台と落ち込みが少ない。それ以上に後期型となる2019年式以降は349台、395台、373台で、まだ2カ月しか経っていない2022年(令和4年)式の中古車も約364台も流通しているのだ。
最も流通台数が豊富な2.5S Cパッケージで前期型と後期型の中古車相場を比べてみると、前期型の2017年式は約43台流通していて、平均価格は約391万円。そして価格帯は約296万~約489万円となっている。
対して、後期型の2018年式は約53台流通していて、平均価格は約474万円。そして価格帯は約388万~約570万円となっている。前期型との平均価格差は83万円で、前後期型の価格差は非常に大きくなっている。
コメント
コメントの使い方