■高速道路上の地震では追突に注意すべし
震災発生時に最もリスクが高いと考えられるのは高速道路を走行中の場合だ。
地震発生時に前後にクルマがいた場合は、先行車に急ブレーキを踏まれたり、後続車に追突されたりする恐れを考えないといけない。
先日発生した大阪北部地震での記録映像では、高速道路上でクルマが飛び跳ねるような動きをし、横倒しになりそうなほどの揺れだった状況が公開されている。
今回は、地震発生時の大きな事故は報告されてはいないが、1995年に発生した阪神淡路大震災では、無数の追突事故が発生したのはもちろんのこと、高速道路の橋脚が倒壊し、クルマが地上に落下、さらに落下した橋脚の下を走行していた車両のなかで、多くの人命が失われている。
今後の震災発生時に、これらのような状況が再現されないという保証はない。高速走行時、さらに高速直下を走行している場合、それらを頭の隅に置いておく必要がある。
高速走行時に震度6強から7の強震が発生した場合、とにかく最初の揺れが収まるまで追突事故に巻き込まれないようにすること。
大きな地震発生時には、揺れが複数回続く可能性も考え、停止後も油断せずに、なるべく早く高速道路外に脱出するほうがリスクを最小限にすることができるだろう。
また前後に大渋滞が発生して身動きがとれなくなり、車両火災などで身の危険が迫った場合には、クルマを捨て、非常口からの避難というのも考えておくべきだ。
■震災時に最も危ない道路はどこなのか?
首都高速道路の老朽化は、大変深刻な状態で、完成時から50年以上の時が経過している区間があるのはご存じだろう。
すでに首都圏の大動脈となっているために、簡単に架け替えるわけにもいかず、すべて完了するのは2026年となっている。1962年に造られた古い区間が震度6強〜7の地震に耐えられるわけもなく、それまで発生しないことを祈るばかりだ。
また東名や中央高速、関越自動車道などの主要高速道路の耐震性も心もとない。住宅などと異なり、高速道路はさまざまな地盤を通り抜けるため、盛土などが行われている場所では崩落などの可能性があり、絶対に安全な場所はどこにもない。
それよりも気をつけるべきなのはトンネルや橋脚(首都高のレインボーブリッジなどを含む)に差しかかった時。
揺れを感じたなら可能な限りトンネル内や橋脚上にとどまらないように停止すべきだ。
東日本大震災の時には横浜ベイブリッジから振り落とされんばかりの揺れの映像が残されているが、トンネルや橋には相応のリスクが存在することを忘れてはいけない。
またあらゆる構造物は大きな地震が発生して一定の応力がかかった後は、耐震性能が著しく低下する場合があり、新たに耐震工事が行われないと、同様の地震発生時に被害が大きくなることも覚えておく必要がある。
コメント
コメントの使い方