西鉄バスの北九州~別府・大分線「ゆのくに号」が運行休止に!! その背景を探る


 西鉄バス北九州は、2022年5月1日(日)より、高速バス「北九州~別府・大分線」の運行を休止する。当該路線は主に北九州から別府を経由して大分市まで運行する路線だ。東九州自動車道の開通で2015年3月から運行を開始したが、新型コロナウイルスの影響等により利用が少ない状況が続いた。よって同社では当面の間、改善が見込めないと判断し運行を休止することにした。

文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)

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西鉄バス北九州唯一の都市間高速路線

 ゆのくに号は、当初は西鉄バス北九州の他、大分バス・亀の井バス・大分交通の4社共同で運行していた。JRの特急ソニック号よりも所要時間があまりに長過ぎるのと、JRが割引乗車券を発売していたため利用者が延びなかったのは事実だ。

別府駅に停車中のJR九州・特急ソニック

 運行経路を変更して小倉南区を丁寧に拾っていく作戦に出たが、これがため所要時間が延びさほどの乗車にもつながらなかった。ノンストップ便を設定して速達性の向上を図ったが乗車は伸びず、大分側の事業者3社が撤退してしまい西鉄バス北九州だけが残って運行を続けていた。

 西鉄バス北九州には福岡県内相互間の北九州空港連絡の高速バス、行橋~福岡線、西鉄本体からの委託による福岡~北九州線、福岡~下関線等の高速路線はいくつかあるが、ゆのくに号は同社が運行する唯一の自社で開設した都市間高速路線だった。

 JRは博多から鹿児島本線を経由して来るため、小倉駅までの間に人口が多く工業地帯である八幡西区、戸畑区に停車するので利便性はある。ところが「ゆのくに号」は小倉北区が発着地のために商業地と小倉南区の住宅地だけしか通らないことに難点があった。

減便に次ぐ減便で兆候はあった

 同社のプレスリリースには新型コロナの影響で利用者が伸び悩んだとあるが、実際には緊急事態宣言発令時、まん延防止等重点措置の前後はずっと運休していたので、そもそも運行していなかった。

 それでも運行再開でキャンペーンを実施する等の施策を行ったが、運休期間が長く、路線の存在自体が忘れ去られてしまった感は否めない。

 しかも運行を再開しても気が付けば2往復しかない状態では、乗車機会がないということになり、遅かれ早かれ路線廃止(今回は休止だが事実上の廃止)になるだろうことは予測できた。

運休のまま休止

 ダイヤを変更したり、運賃をかなりの低額に抑えたりとさまざまなテコ入れを行った同社唯一の都市間高速路線で、何とか守り通したい意地はあったのだろうが、2往復になった時点で残念ながら終焉を迎えていた路線だった。

大分交通が運行していた当時の3列シート車

 記者は何度も「ゆのくに号」に乗車したが、往時は大分側の事業者が3列シート車を投入する等、運賃も安くお得感の強い路線だっただけに残念だ。

高速バスも再編の時代か

 同社に限らず一般路線バスと高速路線バスを運行する事業者にとって、収益だではなく深刻なのが乗務員不足だ。日常の通勤・通学の足を減便するわけにはいかないので、まず整理されるのは高速路線と相場は決まっている。

 コロナで乗客減に苦しむバス事業者が最初に手を付けるのが高速バスなので、今後はこうした乗客減と乗務員不足による高速バス再編の流れになるのかもしれない。もっとも、収益性の高い路線は増便したり新規開設をしたりという動きもあろうが、難しい判断を迫られることだけは間違いなさそうだ。

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